鬱病になる本当の理由は、「心の異常反応(エラー)」にある
鬱病はそれ自体が、異常なのではありません。むしろ鬱病による症状は、心を守るためのものです。一般的な精神医療の世界では、これがよく理解できていません。
人間は誰しも、心の中に多くの異常反応(心のエラー)を抱えています。異常反応とは、合理的ではない心の反応の事です。無害なものが怖かったり不安だったり、自分の脅威のように感じられます。それは数百~千という数になり、全てが無秩序に解放されてしまえば、とても正気を保っていられません。 → 詳しくは、心の健康3 エラー/異常反応 をご参照ください。
ですから人間は無意識のレベルで、この異常反応に常に対抗しています。湧き上がる異常反応を精神エネルギーを使って抑え込み、心を守っているのです。この防衛が成功していれば、心は正気を保っていられます。
ところが過労や長期間のストレスなどによって精神エネルギーが減退すると、異常反応を抑え込めなくなってきます。すると心は周囲の様々な無害なものに反応してしまい、「怖い」「不安だ」「落ち着かない」といった異常反応が表面化するのです。
こうなってしまえば、心は異常反応に押しつぶされます。正気でいられなくなります。
ですがまだ、辛うじて心を守る方法は残されています。心をマヒさせて、異常反応を感じ難くするのです。これが鬱病の正体です。鬱病は心を守るための、苦肉の策と言えます。
前向きな気持ちも巻き添えになる
異常反応だけをマヒさせられれば良いのですが、残念ながら、精神はそこまで器用には出来ていません。
精神エネルギーが豊富にあった時なら、異常反応だけを狙って抑え込んでおけました。完全に抑え込める訳ではないのですが、それでも日常生活に支障が出ないレベルまでには出来ていました。
過労や長期間のストレスなどによって精神エネルギーが減退した時、残された手段はあまり多くはありません。心の感受性を全て落として、異常反応の嵐をやり過ごそうとする防衛反応が鬱病です。
ですからやる気、モチベーション、前向きさといった感情も、同時に落ちてしまいます。そればかりか、生きようとする意欲までもが減退します。
けれど異常反応の嵐に飲み込まれるよりは、その方がまだ健全な精神を保てるのです。
薬では治らない
精神薬は脳内分泌をコントロールすることで、感情や気分を調整するものです。鬱状態を心の表面上では軽減できますが、決して、鬱病それ自体を治すものではありません。
休息によってバランスを取り戻す
精神医療の世界でも、鬱病にとって休息が重要であることは常識です。精神薬と同じくらいの重要性を、多くの医師も認識しています。
では何故、休息が鬱病の改善に繋がるのでしょうか? それは休息によって取り戻された精神エネルギーが、再び異常反応を抑え込めるようになるからです。
異常反応を抑え込めるようになれば、心が感受性を落としている必要はありません。結果として鬱状態も改善されます。
鬱病はなぜ、これ程までに再発するのか?
鬱病は再発リスクの高い病気としても知られています。では何故、一度は治ったはずの鬱病が、これ程までに再発するのでしょうか?
異常反応は活性化してしまうと、再び抑え込めたとしても、依然として強力な突き上げを続けてきます。それを抑え込むのに、以前の状態よりも、より多くの精神エネルギーを費やさなければなりません。
これは非常に危うい状況です。また疲れやストレスなどで精神エネルギーが減退すれば、異常反応は以前よりも簡単に心を脅かします。それを防ぐために、心は再び鬱状態に入るのです。
認知療法はどこまで期待できるのか
認知療法とはつまり、考え方や捉え方を整理して、異常反応に対抗しようとする取り組みです。異常反応そのものは消せませんが、それに対抗する技術が身に付きます。
けれど多くは期待できません。認知療法が効果を発揮するには、ある程度よりも大きな精神エネルギーが残っていなければいけません。それがあまりに少ない状況では、高い効果は期待できません。ですからこの治療法は、軽度の鬱病には効果があっても、重度のものには効かないとされています。
一義流気功なら異常反応を解体し、根本から改善できる
一義流気功であれば、元凶である異常反応そのものを解体できます。
薬で感情や気分を調整するのも、休息を取るのも、認知療法を行うのも、問題を根本的には解決するには至りません。多くのケースで、こうした一般的な対処法も有効です。けれどもっと根本から改善しようと思えば、異常反応を解体してクリアにする以外に道はないのです。
これは初回の体験でいらした方でも、「思考がクリアになった」「気分が楽になった」など、その場で何らかの実感を持って頂ける場合が多いです。