自然治癒力 3つの要素
一言に自然治癒力と表現しても、その発揮のされ方は様々です。
① 病原菌や癌細胞などに対抗する免疫機能
② 損傷した組織を修復したり、古くなった細胞を新しくする自己再生機能
③ 身体のバランスを正常に保つ、恒常性維持機能
これら全てが一定レベル以上で機能して、はじめて人間の身体は生命を未来に繋いでいけます。
②と③については、心の自然治癒でも同様です。相手をストレスや悪意に設定すれば、①も当てはまるでしょう。
ですから自然治癒力の向上とは、単純に免疫力の問題ではありません。 身体が健康であろうとする働きが、統合的に底上げされた姿なのです。
身体の環境整備
仮に本人が健康を全く意識していなくても、身体は常に健康であろうと最大限の努力を 続けています。外敵から身を守り、損傷を修復し、気温や湿度などの変化に 対応します。
但し身体は、置かれている環境なりの仕事しか出来ません。例えば足元が冷えている状況では、足元から上がる気の流れが滞ります。充分な気の流れが確保できないために、内臓機能が衰え、体内毒素を上手く排出できずに溜め込む結果になります。蓄積された体内毒素が、更に身体を蝕むという悪循環に陥ります。
呼吸が浅い状況では、一つ一つの細胞が必要とする酸素の供給が不足しがちになります。満足な仕事は出来ません。
自律神経が乱れた状況では、身体は自身を理想的にコントロールできなくなります。
こうした根本的な状況を一つ一つ丁寧に整えてあげれば、身体は必ずそれに応えます。不本意ながら放置されていた身体の不備を、一気に正そうと懸命な努力が始まります。
自然治癒力の向上は、身体の環境整備とイコールで結べます。貴方が思うよりも先に、健康になりたいと願うのは、身体自身だからです。
心身のエラー
心と身体の機能も、完璧ではありません。それを動かすプログラムにエラーがあれば、いくら表面上の環境を整備してあげても、 健康とは逆行した形で動いてしまいます。
心身が機能できる環境を整備するには、この深い意味でのエラーの問題は避けて通れません。
例えば精神の奥深くに、「自分が弱っていればいる程、好ましい状態だ」と認識している部分があります。これは誰の心の中にも巣食っていて、勢力が活性化すれば、その人を弱める方向性に働きます。身体が弱い、心が弱いという状態の陰に潜むのは、この味方を装ったエラーかもしれません。
またその他にも、人間の肉体が培ってきた情報によって、乱されるケースがあります。これも全員が、大なり小なりの悪影響を受けています。
人間の肉体は、いきなり今の形で地球上に誕生したのではありません。原始的な生命体からの進化を経て、今の姿形があります。人間の身体には、他の形態の、膨大な量の情報が蓄積されているのです。その情報は、通常、生存するために前向きな目的で利用されます。けれど情報量が莫大であるために、その全てを完璧に整理するのは困難です。未整理の情報によって、心身の機能を乱されている側面があります。
こうしたエラーは、肉体を対象にした療法、健康法などでは、到達できるものではありません。また心の中をいくら探求して見つめようとしても、発見できる種類のものではありません。それを探る自分自身の意識、表面上の顕在意識が、既にエラーの上に立ってしまっているからです。
是非、心の健康3 エラー/異常反応もご一読ください。
自然治癒を引き出す起点
一義流気功において採用されている、自然治癒力を引き出すための起点です。
精神
心という意味ではなく、人間個人の存在性そのものです。身体に脳があり、脳が精神を作るのではありません。身体とはまた別に、その人の実体である精神のエネルギーが存在しています。精神が肉体を支配、統制し、運営しています。
これが自然治癒を生み出す上で、現在、考えられる範囲での最も深い起点です。
チャクラ
人間の肉体と精神を繋ぐ、大きな役割を果たしています。このチャクラが損なわれると、精神が肉体を上手く支配できなくなります。その不備は、例えば 第3チャクラの場合には消化器系の障害に繋がるなど、肉体的な機能低下に直結します。また心の状態にも悪影響を及ぼします。
経絡(気の流れ道)
伝統的な陰陽の14経絡、奇経をはじめ、身体には無数の気の流れ道が存在します。その一つ一つが、生きて活動するために必要な機能を果たしてい ます。気は生命体にとって、心身を機能させる動力です。脾経の不備が膵臓機能や免疫を衰えさせるなど、その乱れは当然、身体機能の不備に直結します。また心の状態にも悪影響を及ぼします。
脳
脳の活動が乱れれば、身体に対して正しい命令が作れなくなります。心の運営にも支障が出ます。
神経
神経は、身体の命令系統です。神経が乱れると、身体が自分自身を思い通りコントルール、統制できなくなります。動悸や異常発汗、めまいなどの症状を引き起こします。また潜在的にも、内臓機能やホルモン分泌、血流などを狂わせ、身体を蝕む至る起因となります。
呼吸
細胞の一つ一つに至るまで、酸素を必要とします。呼吸が浅い状況では、少ない家計(酸素)でやり繰りするようなもので、身体は充分な働きが出来ません。
一義流気功の現場では、最も深い「精神」を立て直していく事が、施術の中心になっています。
これらの起点の他にも、相対的に浅い起点は無数に存在しています。血流、ホルモン分泌、臓器の一つ一つ、筋肉、骨格など。これらの不備は、より深い起点が改善される事で、殆どのケースで自動的に立ち直っていきます。その正の連鎖は、まるで水面に波紋が広がっていく様子を思わせます。これこそが、正に自然治癒力が回復した姿なのです。
気功療法を受けて、「身体が動き出したような気がする」と感想を頂戴する事などはありますが、体内の様子は、施術現場では客観的な確認が出来ません。しかし骨盤の歪みや足の長さの違い、筋力の強弱などは、その場で直ぐに確認が出来ます。例えば整体でよく見られる骨盤矯正ですが、一義流気功 気療院では、骨盤に触れずとも、施術後には歪みが正されているケースが殆どです。自然治癒力を回復させた身体自身が、施術中にいつの間にか、歪みを元通りに直しているのです。
もちろん身体の中では、その他にも多くの立ち直り、改善が引き起こされています。身体の機能不全によって放置せざるを得なかった不備を、懸命に立て直します。