足の長さの違い 原因
足の骨の長さが違う、足の骨の片側が湾曲している。こういった原因で、結果として足の長さが違ってくるケースがあります。 生まれつきの事もあれば、事故によるものもあります。
こうした問題でなければ、足の長さの違いは、骨格の歪みが原因となります。例えば片方の脇腹が緊張して骨盤を頭の方向に引っ張り 上げると、当然足の長さは短くなります。骨盤を構成する仙骨と腸骨の間の関節、仙腸関節が緊張すると、腸骨を引っ張るような 形で足が短くなるケースがあります。また股関節の角度の違いが生じていても、足の長さが違ってきます。
直接的な原因は、確かに骨格レベルでの歪みです。しかし骨格が歪むには、更にその奥の原因があります。神経伝達、呼吸の深さ、 内臓に溜まった毒素、ストレスなど、足の長さが違うという症状は同じでも、根本的な部分での原因は様々です。
一般的な治療法
足の長さが違うという事に対して、一般的には何らかの外圧を加える矯正が行われます。単純に短い側の足を引っ張るような治療法も存在しています。 骨盤矯正や股関節矯正などが、一般的です。ただ外圧で骨格の位置を元に戻したところで、筋肉は緊張したままです。骨格を歪める形で引っ張り続けて いるために、時間が経過すると、また元の同じ歪みに戻ります。
一般的な治療法では、残念ながら、表面上の体裁を整えるだけで、深い原因部分は何も改善されていないのが実情です。
一義流気功による考え方 施術の方向性
他に身体に何も問題はなく、急に骨格だけが反逆を起こして歪んでいくのではありません。自律神経、呼吸、内臓機能、経絡(気の流れ道)など、身体 全体として機能上の不備があり、それがたまたま骨格の歪みという形で表面化しているだけです。短い方の足を引っ張るような治療法では、本質的には何も 解決されません。
例えば自律神経の不備が、問題の背景として大きくあるケースを考えます。自律神経に 乱れが生じれば、身体機能の運営にも支障が生じます。筋肉レベルでも、状況に応じた緊張と弛緩のバランスが取れず、不必要な緊張を残し続けてしまいます。 これが慢性的に、足の長さの違いに結びつきます。筋肉をマッサージして緩めてあげても、自律神経の乱れが改善されなければ、潜在的な状況は変わりません。 また何かの切っ掛けで歪み、それを元に戻せなくなります。つまり自力で身体に起こった問題を、精密に修復できない状態です。この場合には、自律神経が しっかりと働ける環境を整えてあげる事が解決となります。
原因は単独犯ではななく、複数の要因が複雑に絡み合っています。ここでは自律神経の乱れが主犯格になっている例を取り上げましたが、呼吸の浅さや経絡(気の通り道)の乱れなど、その他の要因が無関係であるケースはありません。複雑に絡み合う身体機能の深い部分で起こっている問題に対して、丁寧に全体として立て直していった先に、初めて問題の本質的な改善に至ります。