急性と慢性
スポーツ障害の範囲は広く、まず大きく、急性の障害と慢性の障害とに分類されます。 急性は一回の強い衝撃が加わって起こる障害で、スライディング時の骨折であるとか、 転倒時の脱臼などが、これに該当します。
このページでは、慢性の症状についてお話します。同じスポーツを続けていると、 同じ場所に負担が掛かり続けます。例えばテニス肘がありますが、これは肘への継続的な負担が直接の原因です。 プレー時の損傷が完全に回復する前に、またプレーで負担をかけてしまいます。この連続によって、やがてテニス肘 といった明確な症状へと至ります。
耐久性と回復力との関係
慢性スポーツ障害の直接の原因は、勿論、継続的にかかる負担です。腰痛や膝痛、疲労骨折まで、様々な障害が発生し得ます。 けれどその陰には、元々の身体の耐久性・回復力との兼ね合いがあります。もしもより強い耐久性、より早い回復力があれば、 同じ継続的な負担であっても、スポーツ障害には至っていない可能性があります。
運動前のストレッチ、運動量の調整、負担のかからない道具やフォームへの移行なども、勿論効果があります。そこにより強い 身体があれば、何よりも心強いのではないでしょうか。私もテニスをやりますが、以前はそのテニス肘でした。さほどハードヒット はしていないにも関わらずです。今では手放せなかったサポーターを外し、ノビノビとハードヒットできます。
身体全体の健全化
体内毒素が多く蓄積されていると、慢性のスポーツ障害になり易い傾向があります。関節が毒の出口や溜まる場所になる ので、結果として弱くなります。この場合には、溜まった毒素を排出してあげる事が優先になります。同時に体質自体を改善して いき、排毒機能を底上げします。栄養素や筋力の問題と合わせて、体内毒素をより少なくする事が、関節部分の耐久性を強化する 事に繋がります。また毒素が多い状態では、治りも悪いのです。施術で毒素を抜いた直後に、痛みが大幅に和らぐ例も決して珍しく ありません。
内臓との兼ね合いもあります。内蔵に毒を溜めると、対応する筋肉も弱くなります。大きな筋肉が弱くなり、小さな筋肉で運動を 補おうとするので、自ずと無理がかかります。内臓に毒を溜める原因は、気の流れの悪さであったり、精神的なストレスであったり、 冷えであったり、様々です。根本的な原因から改善し、内臓を強化していけば、次第に状況は好転していきます。
また回復力は、身体の恒常性の問題です。身体はより健康な状態に、自らを保とうとします。この機能が何らかの影響で弱くな ると、損傷や疲労を改善していく力が弱くなります。自律神経の問題であったり、気の全体的な流れの問題であったり、呼吸の弱さ が背景にある場合もありますし、状況は様々です。根底からの身体の建て直しが恒常性を蘇らせ、少ない休息で充分な回復が出来る 身体に導きます。