疲労は休息を促すサイン
疲れ易い。普通の生活の中で、疲れが回復しない。慢性的に疲労感がある。病院に行く程でもないけれど、かといって健康とは言えない。こんな健康上の漠然とした悩みを抱えている方は、意外に多いものです。
疲労自体は、身体が休息を求めるサインです。身体も心も同様なのですが、もうこれ以上の負荷や活動には耐えられない、壊れてしまうという段階に至った時に、疲労を感じるように出来ています。
回復されない原因
疲労は通常、休息によって回復されるものです。回復力が何らかの原因によって衰えた時に、休息したにも関わらず、疲れが取れない。慢性疲労の状態に追い込まれていきます。ではその原因に、どのようなものが考えられるのでしょうか。
- ストレス
- 緊張
- 気力の減退
- 睡眠の質の悪さ
- 運動不足
- 血流の悪さ
- 身体の冷え
- 自律神経の乱れ
- 栄養不足
- 消化器の機能不備
- 肝臓の疲れ
- 浅い呼吸
- 食べ過ぎ
- 肉中心の食生活
- 甘い物の摂り過ぎ
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など、挙げればキリがありません。身体を温め食生活を正し、適度な運動を行う。ストレスを溜めないように心がけ、夜はリラックスして良い質の睡眠をとる。こうした日常生活の地道な改善と規律が、疲労回復の機会と時間を身体に充分に与える結果になります。
施術の経験上から
慢性疲労や疲れ易さを訴える方には、3点の共通点、傾向があります。
① 自力ではどうにもならない、心身の緊張
疲労を回復させるには、心身の脱力が必要不可欠です。心も身体も、力が入りっぱなしでは回復できません。また緊張は心と身体で連動します。心が緊張すれば身体の力は抜けませんし、身体を緊張させながら心をリラックスさせるのは至難です。通常であれば休息時や睡眠時に力が抜けるのですが、疲労を回復できない方は、これが出来ていません。仮に本人はリラックスしているつもりでも、芯の部分で緊張が残り続けてしまっているので、回復は不十分です。寝て起きても疲労が残り、次第に蓄積されていきます。
こうした方が施術を受けると、心身が芯から緩んでいきます。深いリラックス状態に入り、寝てしまう人も少なくありません。心身が緩まれば、身体は蓄積された疲労とそれに伴う不備を解消させるよう、懸命に働き始めます。
② 呼吸の浅さ
実際に触って呼吸の動きを見ると、肋骨や横隔膜の動きが硬く不十分で、呼吸が浅くなってしまっている人が殆どです。逆に慢性疲労を訴える方で、呼吸の動きが万全であった例をまだ知りません。人間の約60兆個の細胞は、全て酸素をエネルギーとして必要としています。浅い呼吸では酸素の供給が不十分となり、その中で身体はやり繰りをしていかなければなりません。疲労回復の鈍さの起因の一つに、ほぼ間違いなく、慢性的な酸欠も関わってきています。血中酸素濃度の数値では異常なラインでなくても、慢性的な酸欠は、次第に身体を蝕んでいきます。
呼吸が拡大し、充分に酸素が身体に供給されるようになると、スッと楽になります。こうなって初めて、自分の呼吸が本来の姿ではなく、浅くなってしまっていた事に気付かれる方も多いです。全身の筋肉の緊張もほぐれ、身体の歪みや血流も改善されます。身体はそれまでの酸欠状態による不備を、懸命に取り戻してくれます。
③ 身体運営の非効率さ
これは①と②よりも、漠然とした表現です。人間の身体は常に、最善のバランスを取ろうとしています。経絡(気の流れ道)、チャクラ、脳、内臓機能、筋肉など、全てが万全の状態ではいられません。強く機能できる部分もあれば、弱体化した部分もあります。身体は機能できる範囲内で、より良い運営にバランスを調整していきます。ですが機能の弱体化が進行すると、そのバランス取りにも限界があります。身体運営のメカニズムは、非効率な姿にならざるを得ません。こうなれば身体は、燃費の悪い車のようなものです。
その非効率さの背景に、緊張や呼吸、体内毒素の蓄積、身体の冷え、ストレス、心身のエラーなど、多くの要素が絡んでいます。