気とは何か?
物理的には感知され得ない、肉体と精神を機能させるための動力源が、気と呼ばれるものです。中医学においては、元気、宗気、衛気など、機能や役割に応じて細分化されて捉えられています。
気が生み出されるには、その仕組みがあります。「気が向く」「気が滅入る」「気になる」といったように、気とは精神が活動する様子を表現する時に使用されています。つまり気とは、精神が何かを思考したり意図したり、感情が起こったりした時に発生する、エネルギーなのです。ただこの辺りの理解は、東洋医学一般の気の解釈とは異なるようです。
気功とは
気功には、自分自身で行う内気功と、他人に行う外気功との二種類があります。何れも動力源である気の調整を通じて、心身の機能を向上させる事を目的としています。人間を機能させる動力源は、気の他にも、栄養、水、酸素などがあります。それぞれについて健康法と療法が存在します。気功も難しく考えずに、それらの一つとして認識されると、馴染み易くなるのではないでしょうか。
気が乱れると
気の乱れは、様々な要因で起こります。見えない物なので肉体的な影響は受けないイメージがありますが、実はそうでもありません。下半身に冷えがあると、上半身への気の流れが滞ります。筋肉が緊張しても、その部分では気が通り難くなります。内臓や神経なども含め、身体の状態に不備があればある程、気の循環にも悪影響が出ます。また精神面では、嫌な気分の時には気も全体として乱れます。不必要な拘りを持ってしまっている、強く怯えているものがあるなど、心の深い部分での問題も気の循環に問題を発生させます。
気が乱れると、心身の機能全般に悪影響が及びます。腎経(気の流れ道の一つ)が乱れると、腎機能、婦人科機能、大腰筋、僧帽筋などが弱り、精神面では鬱や無気力になり易いといった、明らかにされた法則は存在します。しかし腎経だけが単独で乱れる事は有り得ませんし、これはあくまでも、一つの側面を切り取った見方です。心身の機能が全体として弱体化していく中で、どこに問題が表面化するのかは、完全には予測し切れません。ある人は胃腸の具合の悪さを訴え、またある人は肩コリや腰痛を訴えます。やる気のなさ、イライラといった精神状態で出てくる事もあります。未病と呼ばれる病気手前の状態から始まり、深刻化すれば強い症状や明確な病気に至ります。
気功の効果
気功は病気や症状を直接治すというよりも、その原因となっている心身の機能不全を正常化させるものです。医学的な見方をした時に、自律神経の調整、血流の促進、免疫機能の向上といった形で表れてきます。その必然として病気や症状の改善事例も出てきます。
気功の効果は、広い意味では、その人を本来あるべき姿に近づけていく事にあります。例えば武道で語られる気は、精神修練と密接に繋がるものです。療法としての気功は、その中で、心身を蝕む要素の改善に比重を置いています。一義流気功では、心身の機能を正常化させるために、精密な作業を行っています。