心と身体、生き方の総合気療 東京都荒川区の気功治療院
一義流気功治療院

健康へ導く知恵

誤った"食"の常識

健康に良いとされている物が、実は健康に悪い。食べ物の世界では、誤った常識が蔓延しています。その大きな原因は、栄養学的見地での偏りです。特に陰性(身体を冷やす)食べ物については、その概念自体がないので無頓着です。人間は体温を維持して活動していますので、冷やされれば当然機能を低下させます。含まれている栄養素などの物質だけに着目しているため、考えが及ばないのです。
また健康に悪いとされている物でも、全く食べてはいけないというわけではありません。何でも許容量というものがありますから、その範囲内であれば、神経質にならなくても大丈夫です。ですが健康を維持したい時の意識と、積極的に症状は病気を治したい時の取り組み方は、自ずと変わったものになります。ここでは具体的な例を幾つかご紹介します。

飽食の害 朝食抜きでちょうど良い

現代の日本人は、食べ過ぎです。身体がその量に対応しきれず、様々な病や症状の原因となっています。食べ過ぎればどんな身体に良い物であっても有害物質、毒に変わってしまいます。
飽食の時代と言われますが、それまでは長い年月の間、人間は飢えた状態が当たり前でした。遺伝子レベルで、人間は飢えに対する適性が備わっているのです。けれど常にお腹いっぱいに食べられるようになったのは最近の事ですから、身体としては突然の事態に対応しきれません。

身体のメカニズムとしては、一日一食か二食が元々のリズムです。食べたら当然消化吸収が行われるわけですが、それ以外の食べていない時間は、休養と排毒に充てます。そのようにして機能は維持されます。しかし今は3食+間食なども行うのが普通で、身体としては排毒に充てる時間が足りません。消化吸収と排毒は同時には出来ません。食べ物が入ってくれば放置はできませんから、消化吸収を優先せざるを得ないのです。飽食の生活を続けていくと、必然的に毒が溜まっていく結果になります。
特に食べてはいけないのは、朝食の時間帯です。おそらく人間は元来、明るいうちは活動をして、暗くなってからゆっくりと食事をして眠る習慣があったのでしょう。朝食の午前中は消化器の排毒が活発になりますので、この時間帯に何も食べないで過ごすと効率が良いのです。正午、お昼ご飯を一日の食事の開始にすると良いと思います。

朝食をしっかりと食べると健康に良いというのは、間違いです。朝食を抜いても力が発揮できるよう、身体はエネルギー配分を行います。また朝食を食べないと力が出ないと実感される方も多いのですが、これは空腹や先入観から来る錯覚で、実際には仕事や勉強の能率も上がります。また朝食抜きに慣れてくると、こっちの方が調子が良いと殆どの方が実感されます。消化吸収の時間帯は、そちらにエネルギーの多くが配分されるため、他の能力が落ちる傾向にあります。

病気の時は、無理にでも食べる?

風邪の時など、病気をすると食欲がなくなります。しかし食べなければ病気が治らないからと、無理をしてでも食べていませんか? 実はこれが間違いです。食欲がなくなるのは身体の異常反応ではなく、病気を治すための正常な反応です。
食べるという事は、実は身体にとっては重労働です。胃→小腸→大腸への運搬。消化吸収。肝臓や腎臓による解毒と、実に大仕事なのです。具合が悪い時には消化器を休め、身体にあるエネルギーを使って治癒させる方が、遥かに効率的だという事実があります。また必然的に新しい毒素も取り入れますので、毒素の排出・解毒に専念したい身体にとってはその面でも仕事が増えます。
野生動物は、具合が悪くなった時には絶食します。飼い犬や飼い猫でも、よく見られます。絶食してじっとして身体を休め、回復を待ちます。人間にも同様の性質があって、具合が悪くなると食欲がなくなるのですが、頭で考えて身体の反応を無視し、無理に食べてしまいます。そのまま身体の声に従った方が、実は正解なのです。

お粥は消化・吸収に悪い

風邪をひいた時など、消化に良いからとお粥が出される事が多くあります。しかしお粥は消化には、とても悪いものです。柔らかいので胃腸が消化吸収するのに楽だろうという、短絡的な勘違いです。お粥をよく噛んで食べる人はいません。その結果、唾液とよく混ざり合う前に飲み込んでしまいます。唾液には消化酵素のアミラーゼが含まれます。これは糖質、デンプンなどを麦芽糖に変え、体内に吸収しやすい状態にする酵素です。アミラーゼの分泌が不十分な状態になりますから、体内への吸収はされ難くなります。
確かに水分を多く含みますので、お粥は飲み込み易い食べ物とは言えます。しかしご飯はもともと柔らかい物ですし、よく噛んだ状態はお粥に匹敵する程柔らかくなりますよね。冷静に考えれば、消化酵素の事を考えなくても、お粥にしたからといって消化・吸収が良くなる道理はないと気づきます。

水の飲み過ぎは健康に悪い

一日に水を2リットル飲むと健康に良いという話があります。代謝が活発になり、血もサラサラになるという理屈です。けれど、水は飲みすぎれば身体を冷やします。冷やされた身体は、機能を低下させます。また水分が上手く排出されなければ、それは身体にとっては不要な物。つまり毒になります。漢方では水毒という言葉があり、余計な水分が身体に害を与えている状態を指します。水毒も様々な病気や症状の元になっている場合は、実は多いのです。
しかし実際にこの方法で健康になった人もいます。これは水分を排出する機能が優れていたために、毒素や老廃物を一緒に排出できた結果です。身体は皆それぞれ違いますから、ある人にとって有効な健康法が、違う人にとっても有効だとは限りません。水を飲まれる際には、冷たくしないで常温で。半身浴など、身体を温めて汗をかく健康法とセットにされると良いでしょう。

サラダは健康に悪い?

肉は健康にはあまり良くなく、野菜であれば健康に良いと考えられている方は多いです。その中でもサラダは、健康的なイメージの最たるものでしょう。無農薬野菜でノンオイルドレッシングを使えば、これはもうどこに出しても恥ずかしくない立派な健康食だと思われます。
しかしこれは栄養学的見地のみに立った、誤った健康認識です。この中には「冷え」についての概念がありません。生野菜は身体を冷やす性質が強くあります。冷やされた組織は働きを弱めますので、内臓機能が低下します。消化吸収能力や排毒が阻害される結果、健康には悪影響となるのです。
もっともサラダだけを大量に食べる機会はもともと多くありません。少量のサラダと他のオカズやご飯という組み合わせが、一般的でしょう。意識していなくても、同時に身体を冷やさない、温める食べ物を同時に取り入れる事となります。また身体の中、内臓の冷えの状態が元々どうあるかで、事情は大きく変わります。多少冷やされても大丈夫なほど温かく、すぐに回復するような身体であったなら、生野菜を多く取っても問題は発生しません。生命をそのまま頂くという事で、酵素の恩恵などもあります。その人にとって適切な量であれば、健康上の問題でも、良い事の方が大きいかもしれません。

コーヒーは日本人には大敵

コーヒーほど、身体を冷やす飲み物はありません。コーヒーは南米といった、極端に暑い地域で生産されます。その特性は、身体を冷やす事です。南米のような暑すぎる環境では、コーヒーを飲んで身体を冷やしながら生活する事が必要になってきます。しかし日本のような豊かな四季のある国では、コーヒーは身体に合いません。身体を冷やし過ぎて、内蔵機能を低下させます。特に腎臓には深刻なダメージとなります。

しかしコーヒーには、精神をホッと一息、リラックスさせる効果があります。少量をたまに嗜好品として楽しまれる分には、問題はありません。元々の身体の状態によっても、事情は大きく違います。

バナナは健康に良い?

確かに栄養素だけを見れば大変優れた食べ物です。しかしバナナは南国系で、身体を冷やす性質を強く持ちます。身体は冷やされれば機能を低下させますから、当然バナナにもその害があります。
また果物は全体的に健康的なイメージがありますが、南国で生産されるものは特に身体を冷やします。水分も豊富ですので、これも冷やす要因になります。比較的温度の低い所で生産されるリンゴやブドウなどは冷やす性質は比較的少なくなります。
冷えている状態で果物を食べると、身体にとってはダメージになります。特に南国産の物は影響が大きくなります。けれど元々が冷えている人と、そうでない人とでは、話が違ってきます。果物は胃に負担をかけずに済む性質があるので、この部分では、とても優しい食品です。冷えない状況を上手く作っていけば、果物も十分に楽しみながら、健康にも良いものとして活躍します。

肉はスタミナの源?

肉を食べるとスタミナや体力がつくと考える人は、まだまだ大勢いらっしゃいます。肉のイメージを考えれば、当然の連想関係ではないでしょうか。けれども草食動物が肉を食べて健康になる事は一切ありません。人間は雑食ではありますが、身体の構造としては、穀物や野菜を中心にした食生活に適しています。これは歯の並びを見ると明白で、肉食動物よりも草食動物に近い事が判ると思います。牛や馬が筋骨隆々である様子を見れば、肉食=体力という考え方が間違いであると理解できます。

実際、身体にとって獣肉は負担が強く、スタミナ・体力面ではむしろマイナスになります。根拠の一つとして、体温の問題があります。獣は一般的に人間よりも体温が高く、その脂を摂取すると、人間の体温では凝固し易いというものです。比較すれば魚介類の方が体温が低いわけですから、同じ肉でも害は少ない理屈になります。一般的に食される中では、牛肉、豚肉、鶏肉の順番に害があります。飼育状態にも左右されます。

肉は一切に口にしないか、食べるとしても、豚や鶏を少量に留めておくべきでしょう。ベジタリアンに移行した殆どの人が、体調が良くなったという実感が得られている事からも、人間の身体にとっては決して嬉しいものではなく、嗜好品であると位置づけられます。

年齢を重ねていくと、肉が好きな人も、傾向として嗜好が魚介類や野菜に変化します。これは必要な食物が変化したというわけではなく、獣肉の負担に次第に耐え切れなくなってきた証拠です。

人間に乳製品は合わない

牛乳やヨーグルト、チーズは健康食品として確固たる地位があります。しかしこれらは、人間の身体には決して合わない食べ物です。人間は雑食ですので、動物性でも植物性でも摂取し、生きるための力にします。動物性は身体にとって負担が大きく、食べ過ぎると健康に悪いという事情はあるのですが、それとは別の理由で乳製品は良くありません。
考えてみれば当然ですが、牛乳は牛の赤ちゃんが飲むための物です。つまり牛の赤ちゃんにとって最適な飲み物です。人間のためではありません。雑食ではありますが、さすがに人間の身体も、他の動物の乳を奪って飲む事は想定していなかったようです。肝臓は牛乳を無毒化するために過度に働かなければならず、身体に負担がかなりかかります。身体にとっては、何とかなる範囲ではあるけれど、出来れば摂取して欲しくない物。これが乳製品なのです。臨床的にも、肝臓機能に関連する胆経という経絡が、乳製品を好む人は乱れる傾向にあります。消化器に悪影響を与えたり、解毒作用が衰えたりと、間違いなく、身体には負担となっているのです。
またヨーグルトは便秘に良いといって好む女性は多いですし、実際に効果があります。しかしこれは軽度の下痢を起こしているためです。便通が健康的に良くなったわけではありません。また内視鏡カメラで大腸を見続けている医師、新谷弘実氏は、ヨーグルト好きは大腸が荒れている傾向が強いと報告しています。
乳製品は民族性とも関係があります。乳製品が身体に合わないとは言っても、人間も環境に適応していくものです。乳製品摂取をし続けてきている土地では、その消化・吸収に適した身体が遺伝子的に形成されています。日本人は戦後の欧米食が入ってきた段階がスタートですから、まだまだ歴史が足りません。また適応している土地の人間でさえも、まだまだ乳製品はできれば身体に入って欲しくない物である事には変わりないのです。

砂糖は毒

白砂糖は身体に毒です。砂糖は科学的に抽出された物質と考えるべきで、自然界には純粋な白砂糖のような物は存在しません。つまり身体は砂糖を受け入れる体勢を整えてはいないのです。
身体は多糖類をブドウ糖に分解して、身体にとって使える栄養素にします。しかし砂糖は胃から血液内に入るため、急激に血糖値が上がります。これは身体にとってはハプニングで、インシュリンを分泌し、急いで血中濃度を下げます。インシュリン分泌した膵臓は疲弊し、経絡で言えば脾経が乱れます。
血糖値が急上昇するので、頭にはインパクトになります。気分は高揚し、元気も出ます。しかし血糖値は逆に急激に下げられるので、高揚の後には鬱状態に陥るケースも多々あります。落ち込むと甘い物に依存してしまうのは、血糖値の急上昇を求めるためです。砂糖は頭の栄養という宣伝文句は、堂々たる嘘です。
血液中に入った砂糖は、血を酸化させます。代謝のためにビタミンやミネラルを消費しなければならず、血糖値を慌てて下げたりするのも合わせて、砂糖が入ってきただけで身体は大忙しです。砂糖ばかり摂取していれば、やがて身体はバランスを失う結果になります。
しかし疲れた時には甘い物が欲しくなります。これは血糖値が急上昇した状態では一時的に疲れが吹っ飛んだような気がするため、その学習による後付の記憶です。疲れた時に砂糖が健康に良い働きをするわけではありません。また子供はお菓子が大好きです。自然界には甘い物は無害で、苦い物は毒だという傾向があります。ですから子供は苦い物は嫌いで、甘い物が好きなのです。砂糖が実は毒だとは、本能は察知できないのでしょう。砂糖には、人間は大人を含めてよく騙されます。
同じ甘い物であれば、黒砂糖やハチミツの方が害が少なくて済みます。しかしこれも食べ過ぎれば害になるので、いくらでも食べて良いというわけではありません。