気功療法の目的、範囲

心と身体のエラー

体調不良を訴える人は、大きく二種類に分けられます。

• 心身の機能が正常で、環境が原因になっている
• 心身の機能にエラーがあり、そのエラーが原因になっている

前者よりも、後者の方が問題としては深刻です。前者は環境を整備してあげれば、身体は自然と良くなっていけます。後者は心と身体を運営するプログラムに異常があるので、良い環境を用意してあげても、体調不良は改善されません。
しかし実際には、この二つのタイプは、完全には分けられません。環境にも問題があるし、エラーも抱えている人が大半です。もっと言えば、心身のプログラムにエラーを持っていない人はいません。表面上は健康そうに見えても、環境にせよエラーにせよ、完全な人間はいません。

一義流気功による施術の直接的な目的は、このエラーを正し、心と身体の機能をクリアに正常化させる事です。これは身体を物質として扱う療法では、絶対に手が届きません。気功という看板は同じでも、ただ良い気を流したり、邪気を取るような方法では、やはり到達できません。
精神に働き掛ける「精神気功」だからこそ、人間が懐に抱えているエラーに対し、取り組みが出来るのです。解り難いかもしれませんが、精神とは、人間の存在性そのものです。

日常生活の改善

南国の花を寒冷地で育てようとしても、直ぐに枯れてしまいます。飼い犬に人間と同じ食事をさせれば、やがて健康を損ねます。それは生存するために有利な環境を、与えられなかったからです。
人間には人間の、生存に適した環境があります。食事内容、外気温、ストレス、運動など、心と身体が働く上で有利な環境を整えてあげます。それが日常生活の改善です。
何がその人にとって必要なのかは、個人差もあります。例えば冷えは万人共通の弱点ですが、その程度には差があります。添加物や白砂糖、ストレスなどについても同様です。完璧な環境を整える必要はありませんが、健康に生きていける最低限のラインは超えていなければなりません。
それを施術と組み合わせる事で、初めて本格的な体質改善の軌道に乗れるのです。

改善、上昇曲線の維持

気功療法と日常生活の環境整備によって、身体の状態は上昇曲線を描くようになります。けれども出発点での状態が重いと、上昇曲線は自力では維持できません。 この上向いている状態維持のために再び施術が必要となります。

施術間隔は、この上昇曲線を維持するために最適な段階で設定します。個人個人、その時々で最適な施術間隔も違います。通常であれば、１２週～２０週程度に一度の方が多くなります。気功療法が進化した結果、この施術間隔も大きく空くようになってきました。最初は４週に一度ペースが平均だったのですから、かなりの変化です。
本質的な意味での体質改善には、時間が必要です。自然治癒の連鎖には、数秒で届くものもあれば、数か月かかるものもあります。患者さんに本当の意味で健康になってもらいたいと願うからこそ、じっくりと取り組んでいきます。

もう良くなったからと、ある程度、向上した段階で止めるのも自由です。もっと上を目指して、より上等な心と身体を目指していく道もあります。「極端に弱っている状態から抜け出したい」「より能力を発揮できる強い心と身体を手に入れたい」そのどちらでも、私は強力に手助けが出来ます。