不定愁訴とは、よく分からないという意味の「不定」と、違和感や苦しい症状という意味の「愁訴」を合わせた言葉です。つまり、原因の分からない様々な症状という曖昧な位置づけです。実はこれは、医療機関のもっとも苦手にする分野です。
なぜ医療は、不定愁訴を苦手とするのか?

不定愁訴は、症候群
不定愁訴症候群、これが不定愁訴の正式名称です。ここで名称の整理をしておきます。〇〇病とあれば、病理が解き明かされたものです。〇〇症とは、病理はよく解らないけど〇〇の症状が出ているという意味です。〇〇症候群とは、病理はよく解らないけど〇〇という状態という意味です。
つまり不定愁訴は、原因とかメカニズムは解らないけど色々な症状が出ている状態を指します。
病理が解っている = 対応の仕方が明白
病気のメカニズムが解っていれば、どう対応すれば良いのかは明白です。その多くは、有効な治療法が確立されています。勿論、それが未だ確立されていない病気もありますが、医師の対応として難しくはありません。有効性が低いながらも、その中でもっとも優位な選択をすれば良いのですから。
〇〇症より、不定愁訴症候群は難解
病理がよく解っていないのは、〇〇症も不定愁訴症候群も同様です。ただ多くの場合、〇〇症よりも不定愁訴症候群の方が対応が難しくなります。明確に核となる症状があるなら、その症状を緩和する治療を行えます。一方、不定愁訴症候群では、複数の異なる症状が同時に現れています。この症状全てを同時に対応するのは、場合によっては現実的ではありません。またその行為が、状態の改善に有益である確証も薄い中、治療は手探り状態になります。
医療現場の対応
ですから医療現場では、不定愁訴症候群と診断された段階で、明確に打つ手がありません。ただ多くの場合、すぐに生き死にという話ではありません。その意味で猶予があり、必要に応じて重い症状を薬で緩和させながら、副作用や反作用が出れば切り替えるなどして、様子を見ます。その際、常識的な生活の改善を指導されることも多いです。
人間の肉体には自然治癒力があるので、こうしている内に、時間が解決して治る人は治る。これが医療現場の対応の現実になります。
病院に行くのは無意味なのか?
ここまで書くと、不定愁訴で病院に行くのは無意味に思えるでしょう。ただそれは、あくまでも結果論です。不定愁訴に限らず、結果として医者にかからなくても、自然治癒力だけで治る問題は多くあります。自分では不定愁訴かな?と当たりを付けていても、実は重大な病気かもしれません。ある病院では不定愁訴だったものが、他の病院でセカンドオピニオンを取ったら、明らかな病気だったというケースもあるでしょう。
不定愁訴について医療機関には、少なくとも「命に関わる危険な病気ではなく、不定愁訴だった」と確認できる価値はあります。また症状が重い時には、それを薬で緩和させること自体も価値です。
不定愁訴の原因と症状

症状
主な身体的な症状としては、慢性的な頭痛や倦怠感、筋肉痛や関節痛が挙げられます。これらの症状は風邪や疲労と似ていますが、長期間にわたって持続する点が特徴です。また、自律神経の乱れによるめまいや耳鳴り、冷えやほてりもよく見られます。さらに精神的な影響として、イライラ、不眠、気分の落ち込みなども見られます。
これらの症状は一人ひとり異なり、複数の症状が同時に現れることもあれば、日によって変動することもあります。
原因
不定愁訴は、病気というより状態です。インフルエンザであれば、ウイルスの感染という明確な原因がありますが、不定愁訴の原因には、そういった明確さがありません。同じ似たような状態でも、その内実までが同じとは限りません。ここでは、一般的に言われる原因と、一義流気功で考える掘り下げた原因のそれぞれをお伝えします。
医療で考えられている原因
不定愁訴の原因は、単一の要因ではなく複数の要素が絡み合って生じると考えられています。特に自律神経の乱れが中心的な役割を果たしており、ストレスや不規則な生活習慣によって交感神経と副交感神経のバランスが崩れることが直接的な引き金となります。女性の場合、月経周期に伴うエストロゲンやプロゲステロンといった女性ホルモンの変動が自律神経に影響を与え、更年期や思春期などのライフステージの変化時にも症状が現れやすくなります。また、鉄欠乏による貧血状態が不定愁訴を悪化させるケースも多く、月経による定期的な血液損失が関連していることが指摘されています。
心理的要因としては、過度なストレスが長期化することで心身の耐性限界を超え、抑うつ感や不安感が身体症状として表れるケースがあります。さらに、背景にPMS(月経前症候群)やPMDD(月経前不快気分障害)が隠れている場合、女性ホルモンの急激な変動が神経伝達物質に作用し、情緒不安定や身体的不調を引き起こすことがあります。これらの原因は相互に影響し合い、検査では異常が見つからないものの、多様な不定愁訴として持続的に現れる特徴があります。
一義流気功で考える原因
上記の医療で考えられている原因に、反対する部分はありません。ただそこに症状の意味を掘り下げて、付け加える形でお話いたします。
好転反応
好転反応という言葉を、知っている方も多いと思います。体を良くするために出てくる症状で、体全体を向上させる自然療法や健康法では定番です。発熱、だるさ、眠気、痛み、湿疹など、そのバリエーションも多岐に渡ります。あまり知られていませんが、実は治療や健康法の後ではなく、通常の普段の症状もその多くが好転反応です。
全体として崩れている中、いくつも症状を使って何とか踏み止まっている。こう捉えることが出来ます。
毒が溜まる
これも好転反応の内の話で、特に硬直と痛みに関係があります。人間の肉体は、常に不要な毒を排出し続けています。この均衡が崩れて毒が多く溜まると、毒出しの負担が上がります。この時、筋肉を硬直させて痛みが生じます。慢性的な痛みの背景に、毒の蓄積が見られるケースは多いです。
精神トーンの低下
精神状態は、密接に肉体機能と関係します。精神状態の上下が、そのまま肉体機能に比例します。精神トーンが低いまま長い時間を過ごすと、肉体の自然治癒が不十分になり、問題が蓄積されていきます。その先に、何とかバランスを取ろうと好転反応として複数の症状が重く出る、バイタリティーの低下した姿があります。
その他、原因は多様
では何故、そこまで肉体が追い込まれたのか? 何が精神トーンを下げているのか? と、改善の鍵になる本質はその先にあります。睡眠の質が悪いなら、何がそうさせているのか?のさらにその先があり、その原因の原因もあります。そうした大小の問題が複雑な因果関係を形成して、その人のその時の状態があります。
不定愁訴に対して、一義流気功ではどう対応するの?

潜在意識から情報を引き出す
自分自身の潜在意識は、肉体の詳細を知っています。何がどうなって不定愁訴が出ているのか、外部から見ても本人が考えても解りませんが、潜在意識は状況の全てを把握しています。ですからまず、症状がどういった種類のものか、何が原因なのか、を全て明らかにします。それに沿って、治療にしても日常生活での取り組みにしても、ピンポイントで正解が導き出されます。
ストレス過多で、体が冷えている人の事例
何をどうするかは、全てその人の状態次第です。ですから一般論としても取り組み方を提示するのが難しいので、例えばの話でイメージをお伝えします。
ストレス過多で、体が冷えている人を例にします。これは実際、よく見られる典型的なタイプです。仕事や生活環境が、常識的には過度に負担という訳ではないとします。ただその人の精神には問題があって、その環境ではストレス過多になります。この場合、一先ず環境を変えます。その間に異常反応の解体、心の毒の減少などを行い、心の方も解決していきます。必要であれば、考え方や価値観の修正も行っていきます。加えて、入浴習慣がなく体を冷やしてしまっています。毎日、38~39度のお風呂に40分以上、浸かるようにしてもらいます。また来院されたタイミングで、自然治癒機能が及び難い問題に対して施術を行っていきます。
こうして、原因に対して根本から包括的にカバーすることで、心身の修復を促進していきます。毒出し、その他の好転反応として出ていた症状は、次第にその意味を失い、役割を全うして自然と薄らぎます。
こうした取り組みは、全て潜在意識から引き出された情報に沿います。お風呂の40分以上というのも、潜在意識によって時間が指定されます。ここではざっとよく出てくるケースをお伝えしていますが、実際には書き始めればキリがないほど、多種多様な状況と原因があります。
症状ではなく、上昇にフォーカスする
極端な話、どんな症状がどう出ているかは、あまり関係ありません。重要なのは、体全体が落とされている原因と、どうすれば上がれるのかです。硬直箇所をゆるめる治療はよく行いますが、これも辛い症状を楽にしようではなく、身体機能を妨げている要素を修正する目的で行われます。一つ一つの症状は、後から結果がついて来るものです。
まとめ、結論
不定愁訴は、不定愁訴症候群と言い、色々な症状が出てきている状態です。病理が明らかでないので、医療機関では実は苦手な対象です。対症療法を行いながら健康的な生活を指導するなどし、自然治癒する人はする。といった感じです。
一義流気功では、潜在意識から情報を引き出し、不定愁訴に至った原因を全て明らかにします。それに沿って、ピンポイントで適切な対応をします。

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