ねこ背で胸が痛い?姿勢の悪さを原因とする胸の痛みの症状。改善法、ストレッチ、予防法を紹介

心身の健康


胸の痛みという症状の中には、ねこ背、姿勢の悪さが原因で発生するものがあります。ねこ背は背中が丸まってしまう姿勢で、胸骨や胸の筋肉、内臓に負担がかかり、胸の痛みを引き起こします。この記事では、ねこ背による胸の痛みの原因や症状、そして改善法について詳しく説明します。 

ねこ背、姿勢の悪さが起因して、胸の痛みを引き起こすケースがあります。特に、胸骨やその周りの内臓に圧力がかかることで、痛みが生じます。 

胸骨への負担 

ねこ背の姿勢では、胸骨に直接的な圧力がかかります。この圧力そのものが痛みを生じさせます。 

内臓の圧迫 

ねこ背の姿勢が内臓を押しつぶし、腹圧を上げると、内臓が圧迫されます。特に、胃酸の逆流が起こりやすくなり、逆流性食道炎のリスクが高まります。胃酸の逆流は、胃の内容物が食道に逆流することで、胸や喉の痛みを引き起こします。 

筋肉の硬化 

ねこ背は、背中や肩の筋肉を硬くし、大胸筋や呼吸筋全般に硬直の範囲が拡大されます。その硬直が強くなると、痛みに至ります。 

呼吸困難 

胸部の痛みを生じさせるレベルでの硬直は、間違いなく呼吸を浅くさせます。呼吸の浅さが血流の悪さとさらなる硬直の原因となり、悪循環になります。 

ねこ背、胸の痛みの改善法

ねこ背による胸の痛みを改善するためには、以下の方法が効果的です。

1,ストレッチ 

ストレッチで、痛みの原因となる硬直に対し、直接的にアプローチします。特に大胸筋、呼吸筋全般のストレッチが効果的です。以下、それぞれのやり方をお伝えします。

 大胸筋のストレッチ 

  1. 壁の横に立つ。 
  1. 肘を伸ばし、壁の後方に手をつける。 
  1. 肘は固定したまま、身体を前方へ突き出すようにゆっくり伸ばしていく。 
  • 上部: 肘を胸の下に置く。 
  • 中部: 肘を胸の真横に置く。 
  • 下部: 肘を胸の上に置く。 
  1. それぞれ30秒ずつ3セット行います。 

呼吸筋ストレッチ

  1. 鼻から息を吸って、最大限に胸と背中を広げる。この時、肺の形と大きさを立体で意識してください。 
  1. 口から息を、ゆっくりと吐き切る。 
  1. 呼吸の動きを使って、呼吸筋にストレッチをかけるのが目的です。肺は何となくイメージするよりもはるかに大きく、想定外に膨らむ動きが確認できると思います。 
  1. 秒数の指定はありませんが、ゆったりと3セットは行ってください。 

2,ねこ背を治す

ストレッチで症状が和らいだとしても、大元の原因であるねこ背を治さない限りは、痛みと対症療法とのイタチごっこになります。ねこ背を治して、その終わりのないループから抜け出しましょう。

3,専門的な治療を受ける

激しい痛みが続く場合には、重大なケガや疾患も懸念されます。整形外科などで診察を受けてください。 

猫背の矯正についてはこちら

胸の痛みを治す、防ぐ、日常生活でのポイント 

ねこ背への対策が、そのまま胸の痛みの改善と予防になります。悪くなるのも良くなるのも、毎日の積み重ねです。

1,良い姿勢とは何か?の意識を変える

背中を頑張って伸ばすのが、良い姿勢ではありません。それでは意識している時だけで、気を抜けばねこ背に逆戻りです。そして普通は気を抜いている時間の方が多くなってしまうので、いくら気を付けて背中を伸ばしても姿勢が良くならない。ねこ背が治らないという結果になります。

良い姿勢とは何か?その意識を変える所からです。逆に意識さえ変えてしまえば、ねこ背問題の8~9割は解決したも同然です。

・立ち姿勢

ずばりポイントは、足裏の重心です。足裏のどこに体重を乗せるかで、その上の全ての形が決まります。ねこ背でいるのも、良い姿勢でいるのも、足裏の重心次第です。

その正解は、かかとの少し前、脛の太い骨(脛骨)の真下です。そこに中心に体重を乗せて、足裏全体で立つようにしてみてください。この重心だと、絶対にねこ背になれません。良い姿勢でしかいられないのです。詳しくは、後程、ご紹介する書籍にもございます。 

・座り姿勢

同じ重心の理屈で、座る際には坐骨に乗ります。座って当たるお尻の骨がありますよね?それが坐骨です。坐骨は前後に広い骨ですから、重心を前後に移動させながら楽に姿勢が伸びるポイントを探してください。見つけたら、そこが正解です。おそらく、思った以上に後ろ側になると思います。椅子ではなく、床に正座をすると良い姿勢になりやすいのは、簡単にこの正解を引けるからです。

ただデスクワークなどでは、前屈みになって当然です。百点満点の良い姿勢を取りながらの作業はし難いので、そこはある程度の妥協は必要です。PCモニターの位置を上げるなど、深く悪い姿勢にならないよう工夫してください。

2,ちょこっとストレッチと運動を習慣にする

長い間、ねこ背で居続けない

デスクワークや台所仕事など、長時間の前屈み姿勢になりがちです。その積み重ねが、筋肉を前屈みの形で固めてしまいます。ですから長時間、前屈みで居続けないでください。ちょくちょく休憩して、前屈み姿勢をリセット。背中を反らせたり、肩甲骨を回したり、筋肉を動かして伸ばしましょう。

筋トレ

姿勢を維持するのも、筋肉の仕事です。特に背筋と腹筋は、姿勢の維持に直接的に関わっています。ただねこ背でいると、重い頭を背中で支える形になるので、むしろ背筋は普段から鍛えられています。その代わり、問題になるのが腹筋です。ねこ背では腹筋の負荷が減るため、いつの間にか腹筋が弱まっています。いざ姿勢を正しても、弱い腹筋では姿勢を維持するのが辛く、気を抜けば元のねこ背に逆戻り。

ですから筋トレでは、腹筋を中心に行うようにしてください。無理せず、出来る範囲で良いので毎日コツコツと積み重ねます。気付けば、良い姿勢でいるのが楽になります。

適度にウォーキング

適切なウォーキングには、姿勢を正し、筋肉のバランスを整える効果があります。鳩尾の辺りから足を動かすイメージで、大股ぎみで少し急ピッチに歩いてください。これは大腰筋ウォーキングと言って、歩くだけで姿勢と筋肉が整う凄い健康法になります。こちらも詳しくは、後程、ご紹介する書籍にもございます。 

3,呼吸法

深呼吸ならぬ、真呼吸

胸式呼吸、腹式呼吸という言葉は、ご存知だと思います。簡単に言えば、肋骨を動かしてするのが胸式呼吸で、横隔膜を動かしてするのが腹式呼吸です。多くの人が、このどちらかを選ぶものだと思っています。実は本当の呼吸は、胸式も腹式も同時に行っています。これを私は、全体呼吸、全体呼吸で行う深呼吸を真呼吸と呼びます。

肋骨を胸の前だけではなく、横も後ろも意識して風船のように膨らませるイメージをしてください。同時に腹式呼吸の動きを平行させれば、全体呼吸の完成です。それをゆったりと深く行い、真呼吸を完成させてください。

真呼吸は血流を良くして筋肉をゆるめ、気持ちをリラックスさせます。自律神経も整い、幅広く健康効果が波及していきます。

4,良い睡眠をとる

寝ている間に筋肉はゆるむ

睡眠は集中メンテナンスタイムです。日中の活動で疲労して硬直した筋肉は、睡眠中に癒されゆるまります。この睡眠時間が短かったり質が悪かったりすると、筋肉のメンテナンスが不十分となり、次の日を迎えます。たまにそういう日もある位なら大丈夫ですが、日常的に続くと大きな問題になります。

次第に借金が膨らむように筋肉が硬くなり、ねこ背でいて当たり前に。良い睡眠をとることが、姿勢にとっても重要になります。

良い睡眠にするには?

睡眠の質を上げるために、肉体とメンタルの両面から考えていきましょう。

・肉体
まず体を動かして、程よく疲れていることです。一日の中で、ちゃんと運動する時間を作りましょう。また脳が興奮状態にあると、寝つきが悪い、眠りの質が落ちます。最悪、一睡もできないという事態にもなりかねません。眠りにつく4時間前には、脳をフル回転させるような作業は終えておく。部屋の明かりは暗めに。スマホやテレビはほどほどにしておきましょう。自律神経を、深く副交感神経に入れます。

・メンタル
ストレス、悩みごとを抱えていると、自律神経で交感神経が優位になります。極端に辛い環境に身を置いているなら、限界が来る前にそこから逃げて離れてください。また小さなストレスや悩みごとでも、複数のものが合わされば大きな負担になります。出来るものから手を付けて、それらを減らして心の負担を減らしてあげましょう。場合によっては、まず自分をじっくりと見つめ直す機会が必要になるかもしれませんね。

一義流気功治療院ではどう対処するの?

一義流気功には、多くのねこ背の患者さんが来院されます。その多くは、背中の硬直が強くなり過ぎ、変形も進み、自分ではどうにもならない人達です。医師から、「年を取って曲がった背中は、もう治らない」と匙を投げられた人もいます。

ただ極めて単純な表現をするなら、前に曲がったものは、後ろにも曲がります。治療で芯から筋肉の硬直をゆるめ、必要に応じて矯正をする。たった一回の治療で、明らかに見た目が変わります。

また長年、ねこ背に変形した体は、その姿勢で生活するようにカスタマイズされています。いざ姿勢を良くしても、その姿勢を維持できる筋肉ではありません。ですから、「緩める」 → 「矯正する」 → 「筋肉の付き方を入れ替える」という3段階を一つのサイクルとして考え、それを何度も繰り返します。確実に結果が出ますので、皆さん、変化を喜ばれています。

結論

痛い胸をマッサージなどでほぐせば、その場では症状も緩和するかもしれません。けれども原因がねこ背にある場合、悪い姿勢を正さなければ根本の解決にはなりません。

姿勢の意識、運動習慣、睡眠の質などを改善し、ねこ背から脱却。そこから自然と胸の痛みも軽減していきます。

書籍紹介:「ねこ背は治る! ──知るだけで体が改善する「4つの意識」

この本は、猫背改善に特化した実践的なガイドブックです。

著者が長年の臨床経験から導き出した「4つの意識」を中心に、猫背の原因や影響、改善方法を分かりやすく解説しています。

特別な器具や難しい運動を必要とせず、日常生活の中で意識を変えるだけで姿勢を矯正できる方法を提案しています。自分の体の状態を理解し、簡単に実践できるテクニックを学ぶことができます。ぜひ一度手に取ってみてください!

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