椎間板ヘルニアの原因と治療法! 種類別症状と対策

身体問題

椎間板ヘルニアとは

椎間板ヘルニアは、脊椎にある椎間板が変形または破損し、隣接する神経組織に圧迫を与える状態を指します。主に、脊椎の構造的な変化や外傷が原因で発生します。

椎間板の構造

椎間板は、椎骨(背骨)の間に位置し、クッションの役割を果たす構造です。外側の線維輪と中央のゲル状の髄核から構成されています。線維輪は丈夫であり、髄核は衝撃を吸収します。

ヘルニアの発生

椎間板ヘルニアは、線維輪が弱まり、髄核が突出することで発生します。重い物を持ち上げる動作、急激なねじり、加齢による変化などが要因となることがあります。突出した髄核が神経根や脊髄を圧迫すると、痛みやしびれ、運動障害などの症状が現れます。

主な症状

・痛みとしびれ

腰部から臀部、脚にかけての痛みやしびれが最も一般的です。坐骨神経痛として知られる症状もヘルニアに起因することがあります。

・筋力低下

患部の神経圧迫により、足や足指の筋力が低下することがあります。

・姿勢の変化 

痛みを避けるため、歩行や姿勢に変化が見られることがあります。

診断

MRIやCTスキャンを用いた画像診断が一般的です。これらの検査により、椎間板の状態と神経組織への影響を詳細に評価できます。

椎間板ヘルニアには大きく分けて3つの種類がある

椎間板ヘルニアは、椎間板が正常な位置から飛び出すことで発生する状態です。このヘルニアは椎間板が存在する脊椎の任意の部分に発生する可能性があり、それぞれ首(頚椎)、胸(胸椎)、腰(腰椎)の領域に特有の特徴があります。

1. 頚椎ヘルニア(首のヘルニア)

・特徴

頚椎ヘルニアは、首の領域に発生します。このタイプのヘルニアは、首や肩、腕、手に痛みやしびれを引き起こすことが一般的です。

・原因

長時間のデスクワーク、不適切な姿勢、加齢、外傷などが原因となります。

・治療法

物理療法、薬物療法、場合によっては手術が必要になることがあります。

2. 胸椎ヘルニア(胸のヘルニア)

・特徴 

胸椎ヘルニアは比較的珍しく、胸部や背中に痛みやしびれが発生することが特徴です。胸椎ヘルニアは胃腸の問題や心臓病と誤解されることがあります。

・原因 

重い物を持ち上げる動作、急激な回転、外傷などが原因となることがあります。

・治療法 

保守的治療が一般的で、症状が重い場合は手術が検討されます。

3. 腰椎ヘルニア(腰のヘルニア)

・特徴 

腰椎ヘルニアは最も一般的なタイプで、腰痛や坐骨神経痛(脚に沿って走る痛みやしびれ)を引き起こします。

・原因

 重い物の持ち上げ、急なねじれ、長時間の座位、加齢による椎間板の劣化などが原因となります。

・治療法 

保守的治療には物理療法、薬物療法が含まれ、症状の持続や重度化には手術が必要になることがあります。

椎間板ヘルニアを治すことはできる?

椎間板ヘルニアは、背骨にある椎間板の一部が飛び出し、周囲の神経に圧迫を与える状態です。この病状は完全に「治す」ことが難しい場合がありますが、症状の管理と機能の改善は可能です。

椎間板ヘルニアの治療方法

1.物理療法と運動療法

  • 痛みを和らげるストレッチや筋力トレーニングを行います。
  • 腰や首のサポートを強化し、機能的な改善を目指します。

2.薬物療法

  • 炎症を抑えるための非ステロイド性抗炎症薬や、痛みを和らげるための鎮痛剤が処方されることがあります。

3.手術

  • 症状が重度であり、他の治療法で改善が見られない場合には、椎間板ヘルニアを取り除く手術が検討されます。
  • 手術はリスクが伴うため、患者の症状と全体的な健康状態を考慮して決定されます。

椎間板ヘルニアの治療効果

・症状の緩和

多くの患者は物理療法や薬物療法により、症状の軽減を経験します。

・機能の回復

適切な運動療法により、柔軟性と強度が改善され、日常生活での動きが容易になります。

・手術の効果 

手術は特定のケースで有効ですが、全ての患者に適した選択肢ではありません。

予防と長期管理

・予防策 

適切な体重管理、姿勢の改善、定期的な運動がヘルニアのリスクを減らします。

・長期管理

定期的な運動療法、ストレス管理、医療のフォローアップは、再発防止と症状の長期管理に重要です。

椎間板以外の場所もヘルニアになるのか

ヘルニアは、体内の組織や臓器が通常の位置から突出する状態を指します。

椎間板ヘルニアが脊椎の椎間板に関連しているのに対し、他の部位のヘルニアも一般的です。これらは、体の異なる部位に発生し、多様な症状を引き起こします。

1. 腹壁ヘルニア

・特徴

 腹壁ヘルニアは、腹部の筋肉や組織が弱まった部分を通じて腸や脂肪組織が突出する状態です。

・種類

  • 鼠径ヘルニア: 大腿部近くの腹壁で発生し、男性に多い。
  • 臍ヘルニア: 臍(へそ)周辺で発生。
  • 切開ヘルニア: 手術後の傷跡部分で発生。

2. 胃食道裂孔ヘルニア

・特徴

胃の一部が横隔膜の開口部を通じて胸腔内に突出する状態。胸焼けや胃酸逆流の原因となることがある。

3. 脳ヘルニア

・特徴

脳組織が頭蓋内の正常な位置からずれ、隣接する頭蓋のコンパートメントに圧迫される状態。これは非常に深刻で、緊急治療が必要です。

4. 間脊椎ヘルニア(かんせきつい)

・特徴

椎間板ではなく、脊椎の間の小さな突起部分が突出する状態。脊椎の安定性に関わる。

治療法

・手術

 特に腹壁ヘルニアや胃食道裂孔ヘルニアでは、突出した組織を元の位置に戻す手術が一般的です。

・薬物療法

 胃食道裂孔ヘルニアに伴う胸焼けや逆流には、酸を減少させる薬が処方されることがあります。

・ライフスタイルの改善

体重管理、適切な食事、運動は特に腹壁ヘルニアの予防に重要です。


一義流気功、治療院ではどう対処するの?
筋肉の状態を改善し、患部への余計な負担を減らす方向性で治療を行います。ただその過程で、ヘルニアは治っていないのに、痛みが消えてしまったという事例も多くあります。ヘルニアの痛みだと思い込んでいたものが、実は筋硬直のせいだったというケースは、意外に多いのです。

まとめ

椎間板ヘルニアは、脊椎の椎間板が突出して隣接する神経組織を圧迫することで発生し、主に腰部に痛みや坐骨神経痛などの症状を引き起こします。

原因には加齢による椎間板の劣化、重い物の持ち上げ、不適切な姿勢、外傷などがあります。

治療法は症状の重さや患者の健康状態によって異なり、軽度から中程度の症状には物理療法、薬物療法、運動療法などの非外科的治療が効果的です。

重症の場合は、突出した椎間板を除去する手術が検討されることもあります。

予防策としては、適切な体重管理、正しい姿勢の維持、適度な運動が重要で、これらは再発のリスクを減らし、症状の長期管理に役立ちます。椎間板ヘルニアの治療と予防には、患者自身の積極的な取り組みが不可欠です。

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