肝臓病にともなうかゆみや初期症状を見逃さないために

肝臓は体内で解毒・代謝・エネルギー貯蔵・胆汁分泌といった多くの働きを担っています。しかし、慢性肝炎や脂肪肝、アルコール性障害、さらには肝硬変などの病気によって肝機能が低下すると、体には思わぬ不調が現れるようになります。これらの不調のなかでも特に注目されるのが皮膚のかゆみです。
肝臓病によるかゆみは、単なる乾燥やアレルギーによるかゆみとは異なり、胆汁の流れが悪くなる「胆汁うっ滞」によって血液中に胆汁酸が蓄積し、末梢神経を刺激することで全身に広がります。夜間に強まる傾向があり、睡眠を妨げる場合もあります。かゆみは軽視されがちですが、実際には肝臓病の進行を反映する重要なサインであるため、注意深く観察する必要があります。
肝臓病を疑うサインと症状
肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、ダメージを受けても初期には自覚症状がほとんどありません。しかし、病気が進むにつれて明確なサインが現れてきます。早期に発見するためには、以下の症状に気づいた時点で医療機関への相談を検討してください。
- 黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)
ビリルビンを処理できず血液中に溜まると、皮膚や眼球の白目が黄色みを帯びます。肝臓病を代表する症状のひとつです。 - 倦怠感・慢性的な疲労感
休んでも改善しない疲労や全身のだるさは、肝機能低下によるエネルギー代謝不良が関与しています。 - 腹部膨満感や腹水
肝硬変が進むと腹部に液体が溜まり、張りや圧迫感を感じます。放置すると呼吸のしづらさにつながります。 - かゆみ
特に夜中に悪化し、全身に広がる傾向があります。肝臓病によるかゆみは、市販薬や保湿だけでは改善しづらいことが多いため、早めの受診が望まれます。 - 便や尿の変化
便が白っぽくなる、尿が濃い褐色になるなど、消化に必要な胆汁の流れが滞ると色調に変化が表れます。 - 出血しやすくなる
肝臓は血液凝固に関わる要素を作り出しています。機能低下により鼻血、歯ぐきからの出血、皮下出血が起こりやすくなります。 - 体重減少・食欲不振・吐き気
栄養を処理できず、食欲の低下や体重の減少が続く場合は注意が必要です。
肝硬変の初期症状とは
肝硬変は、長期間の炎症や障害により肝細胞が瘢痕化し、血流や胆汁の流れが阻害される状態です。進行すると肝不全や肝がんのリスクにも直結する重大な疾患です。
初期段階では一般の疲れや胃腸不良と区別がしにくく、以下のような症状で気づかれることがあります。
- 休んでも改善しない疲労感や倦怠感
- 食欲低下、体重減少
- 吐き気、嘔吐
- 腹部の張りや不快感(腹水による)
- 黄疸(皮膚や目の白い部分の黄色化)
- 夜間に悪化するかゆみ(胆汁の蓄積が原因)
- 手の震え(肝性振戦)
- 手のひらが赤くなる(肝掌)
- 皮膚表面にクモのような血管が浮き出る蜘蛛痣
これらの症状は「肝硬変 初期症状」として知られており、早期に発見・治療へつなげるきっかけになります。
早期発見と治療、セルフケアの重要性

肝臓病や肝硬変は初期の段階で対処できれば進行を遅らせることができます。自覚症状が軽微であっても、「いつもと違う疲れ方をする」「皮膚にかゆみや黄ばみが出てきた」といった小さな変化を見逃さないようにしてください。
また、以下の生活習慣を見直すことが肝臓の健康維持に大きな役割を果たします。
- アルコールの摂取量を控える
- 高脂肪・高糖質の食事を避け、バランスのとれた食生活を意識する
- 睡眠と休養を十分に確保する
- 肥満や糖尿病を予防・管理する
- 定期的な血液検査や健康診断を受ける
肝硬変にともなうかゆみの原因と対応策
肝硬変は単に肝臓の働きが弱まるだけではなく、体全体に不快な症状を引き起こします。その代表的なものの一つが皮膚のかゆみです。かゆみのメカニズムは複雑で、胆汁酸の滞留、皮膚の乾燥、あるいは毒素の蓄積など、複数の要因が関わっています。
肝硬変におけるかゆみの原因
- 胆汁酸の蓄積
健康な状態では胆汁が肝臓から分泌され消化に役立っています。しかし肝硬変が進むと胆汁がうまく流れず、血液に逆流し胆汁酸が体内に蓄積してしまいます。この胆汁酸が末梢神経を刺激し、強いかゆみを引き起こすと考えられています。特に夜間に増悪するケースがあり、熟睡を妨げ生活の質を低下させます。 - 皮膚の乾燥
肝硬変が進行すると栄養素の吸収や代謝がうまく働かなくなり、皮膚の保湿に必要な脂質やビタミンが不足しやすくなります。さらに体内の水分バランスも乱れるため肌は乾燥し、かゆみやひび割れが起こりやすくなります。 - 毒素の蓄積
肝臓は有害物質を分解し体外に排出する役割を担っています。その機能が衰えると、血液中にアンモニアやその他の毒素が増え、皮膚の感覚を敏感にしたり炎症を悪化させたりします。こうした血液中の変化もかゆみの背景として重要な要因です。
かゆみの対応策
- 医師による診断と治療
かゆみが続く場合は自己判断せず、まず専門医に相談することが第一です。処方によって胆汁酸の働きを抑える薬や、かゆみを軽減させる薬が使われる場合があります。かゆみを抑える対症療法と合わせて、根本となる肝疾患の治療を進める必要があります。 - スキンケアの徹底
入浴後はすぐに保湿剤を塗り、乾燥を防ぐことが基本です。石鹸やシャンプーは刺激の少ないタイプを選び、皮膚を守るよう心がけましょう。入浴時に熱いお湯で長時間浸かると乾燥が進みやすいので、ぬるめのお湯で短時間にとどめると良いでしょう。 - 水分補給と栄養管理
肝臓の代謝を助けるためには適度な水分補給が欠かせません。さらに、ビタミンや亜鉛を含むバランスの良い食事を意識することで皮膚の修復能力が高まり、かゆみの軽減に役立つ場合があります。 - 冷却による一時的な症状緩和
強いかゆみに悩むときは、冷たいタオルや保冷剤を布で包んで患部に当てると一時的に症状が和らぎます。爪で掻き壊すと皮膚炎につながるため、冷却で刺激を鎮める工夫が大切です。 - ストレス管理
心理的なストレスは交感神経を活性化させかゆみを悪化させる要因になります。深呼吸、瞑想、軽いストレッチ、ウォーキングなどを日常に取り入れ、リラックスを意識することが予防につながります。
肝硬変の治療法と合併症への対応
肝硬変の治療は「進行を遅らせる」「合併症を防ぐ」ことを大きな目的としています。根治は難しい病気ですが、原因に応じた適切な治療を受けることで寿命や生活の質を大きく改善できます。
原因別の治療方法
- アルコール性肝硬変
最も重要なのはアルコールを完全に断つことです。断酒を徹底しなければ治療効果は得られません。断酒支援プログラムや依存症治療も並行して行われます。 - ウイルス性肝硬変
B型肝炎、C型肝炎による場合は抗ウイルス薬の使用が標準的です。特にC型肝炎は近年、新しい抗ウイルス薬の登場によって治癒率が大きく改善しています。 - 非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)由来
肥満や糖尿病を背景に発症することが多いため、体重の管理が治療の中心です。食事療法と運動習慣を取り入れることで病状の進行を抑える効果が期待できます。 - 自己免疫性肝炎
免疫が過剰に働くタイプの肝硬変では、ステロイド薬や免疫抑制剤が用いられます。定期的な血液検査で副作用の有無を確認しながら治療が行われます。
合併症への予防と管理
肝硬変は進行すると複数の合併症を併発する危険があります。これらの合併症を防ぐことは患者の健康を守り命を延ばすうえで欠かせません。
- 腹水
体に水分が溜まるため利尿薬や食塩制限で管理します。大量に溜まった場合はカテーテルで排出する処置が必要になることもあります。 - 食道静脈瘤出血
肝臓病によって門脈圧が高まり、食道に静脈瘤(血管の膨らみ)ができて出血する危険があります。β遮断薬による薬物治療や内視鏡による止血法が選択されます。 - 肝性脳症
血液中のアンモニア濃度が高まると意識がもうろうとすることがあり、放置すれば昏睡に至る危険性もあります。整腸剤やアンモニアの生成を抑える薬、たんぱく摂取量の調整でコントロールします。 - 肝がん
肝硬変は肝がんの最大のリスク因子です。定期的な超音波検査やCT検査を行い、早く発見できれば手術やラジオ波治療、化学療法などの治療につなげられます。
生活習慣の改善と肝移植
肝硬変の進行を少しでも遅らせるためには薬だけでなく生活習慣の見直しが欠かせません。
- 栄養バランスの整った食事を意識する
- アルコールは厳格に制限する
- 無理のない範囲で運動習慣を継続する
- 禁煙を徹底する
こうした日常的な取り組みが病気の進行を抑える土台になります。それでも肝機能が回復せず症状が悪化する場合、最終的には肝移植が検討されます。肝移植は大規模手術であり、待機リストへの登録や適格性の判定が必要です。移植が成功すれば大きく予後が改善しますが、術後は拒絶反応を防ぐために免疫抑制剤の継続的な内服治療が欠かせません。
一義流気功では、どう対応するの?

それでは一義流気功では、肝硬変にどう対応しているのでしょうか?医療による適切な措置と、身体機能の向上。この両輪を正しく機能させることが重要です。
肝硬変は自然治癒しない
肉体に、進行した肝硬変を治癒させる機能は備わっていません。ですからいくら身体機能を向上させても、それによって肝硬変を治癒させようと期待してはいけません。現代医療、西洋医学に信頼を置けない人も、肝硬変は話が違います。その特性を正当に評価して、正しく利用するよう意識を改めてください。
先天的な右半身の弱さを解決させる
実は人類の7割は、先天的に左右何れかに先天的な弱さを抱えています。正中線できれいに左右、何れかの生命力が弱いのです。その中で右半身は珍しいのですが、稀にはいらっしゃいます。右半身の弱さがあれば、まずはその土台を改善させることが先決です。
潜在意識から、必要な情報を引き出す
潜在意識は、自身の肉体について状態を詳細に把握しています。ですから例えば、常識として「睡眠が重要」とは解っていても、では具体的にどうすれば良いのか?という細かい部分は判断できません。そこを潜在意識に尋ねることで、「睡眠時間は7時間以上」、「寝る前の3時間は脳を興奮させない」、「小さなストレスの集合が睡眠を浅くしているから、対処できるものは対処して三分の二は減らした方が良い」、といったものが、具体的に出てきます。また一義流気功で行う治療についても、潜在意識からリクエストを取ります。
こうして個人個人に適した対応を、丁寧に行います。
まとめ、結論
肝臓は体内で解毒や栄養の代謝、エネルギー貯蔵、胆汁分泌など多くの機能を担っていますが、肝硬変はこうした働きを著しく低下させ、皮膚のかゆみや黄疸、腹水、出血傾向など全身に多様な症状をもたらします。肝硬変自体は自然治癒することがなく、一度線維化が進行した肝臓が元に戻ることはありません。進行や合併症の予防には医療的な治療と生活改善、そして早期の受診・対策が極めて重要です。
一義流気功では、医療との連携や身体機能の維持・向上、個別の体質に合わせたサポートを重視しています。ただし、身体の機能強化といえども、進行した肝硬変の回復は医療の力なくしては困難です。専門医の診断を最優先し、自分に適した生活習慣や心身管理で健康維持を目指しましょう。
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