潜在意識について、まずは整理

顕在意識と潜在意識
顕在意識があり、対比される形で潜在意識があります。顕在とは、「はっきりと形にあらわれて存在すること」という意味で、例えば目に見えない問題が表面上に浮かび上がった時に「問題の顕在化」といった使い方をします。潜在の言葉の方は、説明する必要はないかと思います。はっきりと表面上にあって、自分で認識できる意識を顕在意識。奥に潜み、自分で認識できない意識を潜在意識と分けています。
潜在意識の存在は、既に証明されている
潜在意識、その存在自体は既に証明されています。私たちが普段意識していないうちに、心や行動に影響を与えている潜在意識。一見、神秘的で捉えどころのないものに感じられるかもしれません。しかし、近年の心理学や脳科学の発展により、潜在意識の存在やその働きは科学的にも明らかになっています。
例えば、私たちが何かを決断したり、行動を起こしたりする際、実はその直前に脳内では無意識のうちに準備が始まっていることが実験で確認されています。これは、意識的に「やろう」と思うよりも前に、脳がすでにその行動を選択している事実を意味しています。
また日常生活でも、就寝中に見る夢、ふとした瞬間に浮かぶアイデアや、なぜか気になること、直感的な判断などは、潜在意識が私たちにサインを送っている証拠とも言えるでしょう。こうした無意識の働きは、私たちの記憶や感情、習慣の形成にも深く関わっています。つまり、潜在意識は決して曖昧なものではなく、私たちの人生や日常に密接に関わっている「もう一人の自分」とも言える存在です。
オカルトと潜在意識を区別する
潜在意識という言葉を耳にすると、どこか神秘的でオカルト的なイメージを抱く人も少なくありません。しかし、潜在意識とオカルトは本質的に異なるものです。オカルトは、超常現象や霊的存在、占いなど科学的な根拠が乏しい領域を指します。一方で、潜在意識は心理学や脳科学の分野で研究されてきた、人間の意識のうち自覚されていない部分の働きを意味します。
たしかに、ユング心理学などでは集合的無意識や象徴の世界が宗教や神秘主義と交差することもあり、オカルトと結びつけて語られる場面もあります。また、自己啓発やスピリチュアルの文脈では、潜在意識が万能の力を持つかのように扱われることもあります。しかし、現代心理学における潜在意識は、私たちが意識できない記憶や感情、習慣などを司る実証的な概念です。
潜在意識はグラデーション
顕在意識と潜在意識は、はっきりと線引きできるものではありません。私たちが「自覚している心=顕在意識」と「無自覚の心=潜在意識」と区別することが多いですが、実際にはその境界は曖昧で、グラデーションのように連続しています。たとえば、ふとした瞬間に思い出す記憶や、直感的な判断は、意識と無意識の間を行き来するものです。また、普段は無意識に行っている習慣も、意識的に注目することで顕在意識の領域に浮上します。このように、顕在意識と潜在意識は互いに影響し合い、明確な境界線ではなく、滑らかに変化するスペクトラムとして存在しています。
※スペクトラムとは、「どこからどこまでがA、どこからがB」といった線引きができない、グラデーションのような広がりや連続性を表す言葉です。
顕在意識と潜在意識とは、シーソーの関係性
顕在意識と潜在意識とは、実は同じリソースを使用しています。そのリソースを顕在意識、潜在意識、どちらがどの配分で取るかで、その時のバランスが定まります。顕在意識が優位な時は、潜在意識は下がります。潜在意識が優位な時は、その逆です。シーソーのように、どちらかが上がれば、必ず反対は下がるものと捉えてください。
潜在意識の能力と役割

それでは潜在意識には、どのような能力があり、それに応じてどのような役割を担っているのでしょうか?潜在意識をさらに掘り下げて、本質に迫っていきます。
潜在意識の能力
潜在意識同士で、あらゆる情報を共有する
カール・グスタフ・ユングの提唱した共時性は、情報の共有によって導き出された概念です。共時性とは、因果関係がない出来事同士が、意味的な関連を持って同時に起こる現象を指します。必要になった物を、友人からタイミングよく譲り受ける。ふと久しぶりに思い浮かべた知人から、連絡が入る。といった誰にでもある現象の中には、潜在意識での情報の共有、共時性が働いているものがあります。
優れた情報処理能力
潜在意識はあらゆる情報を共有します。何でも知っていると捉えられがちですが、「どんな情報にもアクセスできる」と言った方が正確です。潜在意識はその莫大な情報を、超高速に処理する能力を持っています。
そこから得られた結論を顕在意識が察知したものが、所謂、直感です。直感には根拠がないと言われていますが、実は莫大な情報から論理的に導き出された回答です。顕在意識は漠然と結論だけを受け取っているので、そのプロセスまでは知り得ないという訳です。
潜在能力、才能の源泉
顕在意識では知り得ないことも、潜在意識では元より把握されています。スポーツ、学問、芸術、創作などでの閃きは、それと繋がった瞬間に得られます。顕在意識と潜在意識はシーソーの関係性にありますが、顕在意識が引っ込んで潜在意識が優位になった時に、凄まじいパフォーマンスを発揮されるケースがあります。所謂、ゾーンに入ったという現象です。
潜在意識の役割
生存に有利に動く
これは比較的、グラデーションで顕在意識に近い領域での現象も多いです。その時々で食べたい物と食べたくない物、やりたい事とやりたくない事、無意識にしている行動と動作、の中には、心身をより健康にする意味での日々の微調整が多分に含まれています。
人生のガイド役
これは直感の一つの現れ方で、閃いた!という強烈なものもあれば、何となくそんな気がするという穏やかなものもあります。自分の人生にとっての正解と不正解を知らせ、導こうとします。また他人もそこに共時性をもって関わり、役割を果たし合っています。
社会的な共同作業
ここはスピリチュアル的な世界に足を突っ込んでいくので、あまり深くは触れませんが、人間にもその他の生物にも、生き物の形を取っていない意識体にも、何らかの共通した目的があります。自覚としてはただ普通に生きているだけの人間であっても、潜在意識はその役割を果たそうとしています。
潜在意識の積極的な活用法とは?

ここまで、潜在意識とは何か、その能力と役割は何か?について詳しくお伝えしました。となると次の関心事は、その積極的な活用法でしょう。
引き寄せの法則は、どう使える?

潜在意識の活用法として真っ先に思いつくのは、この引き寄せの法則です。しかし、あまりにその概念だけがご都合主義的に一人歩きしていて、実に役に立たない怪しいものに成り下がっている向きもあります。ここで理解をまとめてください。
引き寄せの法則とは
引き寄せの法則は、「自分が強く願い、信じることが現実になりやすい」という考え方で、その中心に潜在意識の働きがあります。潜在意識にポジティブなイメージや感情を繰り返し刻み込むことで、無意識のうちにその願望に近づく行動や選択をするようになり、結果として望む現実を引き寄せるという話です。逆に、ネガティブな思考や感情が強いと、マイナスの出来事や人間関係を引き寄せやすくなります。
引き寄せの法則は、「潜在意識を通じて、思考や感情が現実を形作る」という仕組みです。
引き寄せの法則は、本当か嘘か
結論を言うと、常識の範疇で本当です。例えば、何かで起業して成功したいとする人間がいます。彼は常にそれを念頭に置いて、アンテナを張っている状態です。そこにふと、街中ですごく不便なものを見ました。彼はたまたまそれを解決し得る技術を本を読んで知っており、これだ!と思い、起業して商品を開発。見事な成功を納めました。これは潜在意識というよりも、むしろ顕在意識で勝ち取った成功でしょう。
意識の持ち方次第で、世界は大きく変わります。起業する意識のない普通の大多数の人は、同じものを見てもスルーしますし、そもそも勉強もしていません。常に意識を持っている人間にチャンスが訪れるのは、常識の範疇での当たり前の話です。
これが「思っているだけで、努力も行動もしないで成功する」方法だと捉えていると、そうは上手く行きません。思っているだけでも多少は可能性は上がるでしょうが、この意味で捉えるなら嘘です。
不安や心配がネガティブな結果をもたらす?
引き寄せの法則を信仰する人の中には、「思考は現実化する」→「思考しないものは現実化しない」という思い込みも散見されます。事故に遭ったり、病気なったり、犯罪の被害者になったりするのは、それを考えたからだと言うのです。この場合、考えたとは不安や心配です。例えば、事故に遭いたくないという思いが、その事故を引き寄せるのだという理屈です。
これは単純に、誤った思い込みです。この理屈で言うなら、用心して戸締りをして外出する人は、何の心配もなく鍵を開けたまま外出する人より、空き巣被害に遭いやすい理屈になります。自分が事故など起こすはずないと猛スピードで飛ばす車は、絶対に安全という理屈になります。健康に気遣って規則正しい生活を送っている人より、何も考えずに暴飲暴食で夜遊びをしている人の方が健康だという理屈になります。
それは個別の事例を見れば、逆の話はいくらでも見つけられます。普段、自転車の鍵をかけない人が、たまたまかけた時だけ盗まれたなんていう話も、それはあるでしょう。では全体として統計的にどうかというと、ある自治体では、盗まれた自転車のうち約7割は鍵をかけていなかったというデータがあります。明らかに、鍵をかけていない方が危ないんです。
スピリチュアルを好む人は、こういう「常識の逆が本当だった!」に引き寄せられていく傾向があるので、そこは注意してください。
正しい引き寄せの法則の利用法
実現したい未来があるなら、それに対して意識を高めてモチベーションを維持し、合理的な行動を積み重ねる。これだけです。その中で、直感や共時性が働いて、潜在意識が後押しをしてくれる時もあります。但しそれは、あればラッキー!くらいのおまけとして考えて、決して本願にしていはいけません。努力よりも引き寄せ頼みになった途端に、実現は遠ざかります。
直感の活用法
直感は、潜在意識による合理的な結論です。根拠は解らないけれど、絶対に正しい。それが直感です。では意識的に直感を利用するには、どうすれば良いのでしょうか?
直感を働かせようとしてはいけない
顕在意識と潜在意識とは、シーソーの関係性にあります。ですから直感を働かせようと意識した瞬間に、優位になっているのは顕在意識です。直感は何も考えず、意図せず、ぼーっとしている時などに、ふと何の前触れもなく湧き上がってくるものです。
つまり直感に対して、自分から何かしようと能動的であってはなりません。直感に何も期待せず、完全に受け身であってください。
強い感情と直感は相いれない
そこに強い願望や恐怖などがある時、基本的に直感は出て来ません。致死率の高い病気で強い恐怖にある中、ネットでサプリメントを見つけてピンと来ても、それは直感ではありません。直感的に思えるのは、デザインであるとか名称であるとか、何かポジティブな記憶であるとか、そういう潜在意識の中でも浅い領域と繋がっているからです。それでは潜在意識の強みである、あらゆる情報から得られた合理的な結論には遠く及ばず、むしろ間違っている方が当たり前です。
直感は、サプライズギフト
直感に期待するのは、一切、止めてください。これが結果として直感を有効活用する、逆説的な第一歩です。そこに何も意識を置かず、強い感情もなく、ふと何となく湧き上がってきたもの。それであれば、真実に直感である可能性が高くなります。そんな時は、試しに直感に従って動いてみてください。
直感は、潜在意識からのサプライズギフトです。
一義流気功で、潜在意識はどう使われているのか?

ここで一義流気功での、潜在意識の活用法をお伝えします。
治療の主役は潜在意識
一義流気功において、顕在意識は「どの治療を行うか」を決めて指示する監督役です。実際に治療を具体的に行っていくのは、潜在意識の役割です。
ここでは治療をする側、受ける側、双方の潜在意識が協力し合います。普段、一人では出来ないことも、治療者が加わって特殊な意図で行われれば、実現可能です。
潜在意識から情報を引き出す
潜在意識と潜在意識は、関係性も距離も関係なく、意図するだけで交流が可能です。そして顕在意識が思ったことは、全て潜在意識に伝わります。ですから治療者が、受ける人の潜在意識に質問を投げかければ、必ずそれは通じています。そして質問されたからには、潜在意識は回答し、その回答は互いに共有されます。
ただし、その回答は治療者も受ける側も、顕在意識では察知できません。そこで潜在意識が回答できる手段を用意する必要があります。ここで使われるのは、腕を押すという作業です。受ける側は力を抜いて腕をだらんと垂らし、治療者は質問を意図して押します。この時の抵抗の強弱で、YESとNOで回答を受け取ります。
ここで異常反応や愛05などの数値、症状の原因や背景、行うべき治療内容、日常生活での必要な取り組み、など全てを導き出します。そこに治療者の主観的判断は、一切、入りません。
小池義孝の本
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