いつも悲しい原因とは?心理学+気功で導く抜け出し方

心身の健康

「なぜ私はいつも悲しいのか」と悩む読者に、心理学と気功の双方からアプローチしながら実践的な回復への道筋を提示する記事です。心の深層で起きている原因を科学的視点と伝統療法の両面から探り、具体的な抜け出し方まで導きます。この記事を通じて、悲しみを解放し、より健やかな心で毎日を過ごしてほしいと願っています。


「いつも悲しい」─その悩みの正体

「いつも悲しい」と感じる背景には、さまざまな心の仕組みが関わっています。悲しみは一時的なものだけでなく、慢性的に続くと日常生活や人間関係にも影響を及ぼしてしまいがちです。まずは現代人が感じやすい「慢性的な悲しみ」について整理します。

自分を守るために、悲しくなる

悲しみは、人間が不快や損失、不安を感じるとき、自分を守る反応として生まれる感情です。「悲しみ」は「喜び」や「怒り」と並ぶ、いわゆる基本感情のひとつとも言われています。誰もが人生のどこかで必ず経験する一方、「いつも悲しい」という状態は、原因の分析と対処が必要です。

「いつも」の意味

一過性ではない悲しみは、いくつかの特徴を持っています。

  • 思考がマイナスに偏る
  • 心身ともに疲弊する
  • 何をしても楽しく感じられない
  • 他人との関わりが面倒に感じる
  • 将来に希望が持てない

この「慢性的な悲しみ」は、放置するとうつ病などの疾患につながる恐れもあるため、早めのケアが重要です。

原因を探る:心理学的視点

1. 過去の経験やトラウマ

心理学では「悲しみが続く原因」として、過去の体験や心の傷が深く関係していると考えます。幼少期の環境や家族との関係、人間関係で感じた喪失感などが心の奥に残り、無意識に現在まで影響を及ぼしている場合があります。

たとえば、子ども時代に強く叱られたり、愛情が十分に注がれなかった経験がある場合、「自分には価値がない」と感じやすくなります。それが大人になってからも悲しみの根底になっていくことが多いです。

2. 欲求不満と未充足の感覚

マズローの欲求階層説によれば、人の心は「生理的欲求」「安全の欲求」「愛と所属の欲求」「承認欲求」「自己実現欲求」など複数の段階で成り立っています。どこかの欲求が満たされずにいると、慢性的な悲しみや虚無感が生じることがあります。

  • 「認められたいのに認められない」
  • 「愛されたいのに孤独を感じる」
  • 「目標がなく日々が空虚に思える」

このような気持ちが心の奥底にたまっていくと、日常的な悲しみにつながります。

3. 自動思考のクセ

人間には「自分を守るための自動思考」があります。ネガティブな出来事が起きたとき、「自分はダメだ」と決めつけたり、「どうせ誰も助けてくれない」と思い込むクセです。このような思考パターンが続いてしまうと、毎日の悲しみの原因となります。

4. セロトニンと脳内物質

悲しみは感情だけでなく、脳内の化学物質にも関係しています。脳内の「セロトニン」が不足すると、気分が落ち込みやすくなります。セロトニンは睡眠や食事、運動などによって分泌されますが、現代人はストレスや生活習慣の乱れで不足しがちです。

悲しみから抜け出す心理学的アプローチ

1. 自分の感情を受け入れる

まず必要なのは、「悲しみを否定しない」ことです。「自分は悲しんではいけない」と思うほど、心は苦しくなります。「悲しみがあるからこそ成長できる」と考えると、気持ちが少し軽くなります。

ノートや日記に「今感じている悲しみ」を書き出すと効果的です。自分の感情を認めることで、解放に一歩近付きます。

2. 小さな成功体験を積み重ねる

悲しみから抜け出すには、「達成感」を感じる習慣が必要です。大きな目標ではなく、朝起きる、ゴミを捨てる、小さな家事を終えるだけでも「自分はできた」と意識するだけで心は回復しやすくなります。

失敗しても自分を責めず、「今日も一つできた」気持ちを大切にしてください。これが自己肯定感を育てます。

3. 信頼できる人に話す

悲しみは、誰かに話すだけでも軽くなります。家族や友人、専門家など、信頼できる人に自分の状態を伝えることで、孤独感が和らぎます。話すことで「自分は一人ではない」と実感し、心に余裕が生まれます。

4. 認知行動療法を取り入れる

認知行動療法は、「思考のクセ」を自覚し、意識的に変えていく心理療法です。悲しみを感じたとき、

  • 「本当にそうなのか?」
  • 「ほかの見方はないか?」

と自分に問い直します。例えば「誰も私のことを気にしていない」と思ったら、「本当に誰も気にしていないのか?」と事実ベースで見直します。

気功で悲しみから抜け出す方法

1. 気功の考え方

気功とは「気(エネルギー)」の流れを整え、心と体のバランスを取り戻す伝統療法です。中国医学では、感情は体内の「気」が乱れることで生まれると考えられています。悲しみが続くと、肺や大腸の気が滞りやすくなります。

人間は「心」と「体」と「気」が一体となって生命力を維持しています。心が疲れたり、体が不調になると気の流れが悪くなり、悲しみが抜けなくなります。

2. 気功の呼吸法

呼吸法は気功の基本です。悲しみを感じていると胸が締め付けられるような呼吸の浅さが現れます。気功呼吸法を使うと、心肺機能を整え、セロトニンも増やしやすくなります。

実践:気功呼吸法

  1. 楽な姿勢で座る。背筋を伸ばし、肩の力を抜く。
  2. 目を閉じて、ゆっくり鼻から息を吸う(5秒かけて吸う)。
  3. 息を止める(3秒だけ静止)。
  4. 口からゆっくり細く吐く(7秒かけて吐き切る)。
  5. この流れを5分間繰り返す。

呼吸を繰り返すと、心が静まり、悲しみが和らぎます。体に「新しい気」が満ちていく感覚が生まれます。

3. 気功の動作(簡単な体操)

気功には、体の動きを使って「気」を流す方法もあります。悩みや悲しみは、体の一部に緊張や詰まりとして表れます。

実践:気の巡りを促す体操

  • 両手を胸の前で軽く合わせ、深く呼吸をする。
  • 両腕を左右にゆっくり広げる。手のひらは上向き。
  • 深呼吸しながら、腕を頭上で円を描くように回す。
  • 体の側面を伸ばし、左右交互に体を倒す。
  • 足踏みをしながら、体の重心を意識する。

動きはゆっくり、大きくリズミカルに行います。心と体がひとつになるイメージで行うと、気の流れが改善し、悲しみが薄れていきます。

4. 自己気功の瞑想

瞑想は心と体をリセットする強力な方法です。気功の瞑想法は「悲しみ」を受け入れ、気の流れを整えます。

  • 静かな場所で楽に座る。
  • 目を閉じて呼吸に意識を向ける。
  • 自分の悲しみを「雲」とイメージして、呼吸ごとに雲が薄くなっていく情景を思い浮かべる。

10分ほど集中して瞑想を続けると、心が静まり、悲しみがやわらぎます。

悲しみから抜け出すための日常習慣

1. 規則正しい生活

心身のリズムを整えるために、毎日同じ時間に起き、食事や睡眠を意識します。体のリズムが安定すれば、精神的なバランスも保ちやすくなります。

  • 朝日を浴びる
  • バランスの良い食事を取る
  • 適度な運動を継続する

これだけでもセロトニンの分泌を促し、悲しみを和らげる効果があります。

2. 自分を労わるセルフケア

悲しみを感じている時ほど、自分を大切にする時間を意識します。

  • 好きな音楽を聴く
  • 温かいお茶を飲んで心を落ち着かせる
  • 芸術や自然に触れる

小さな癒しが心の回復力を高めます。

3. 気功や運動の習慣化

気功体操や深呼吸を毎日続けることで、継続的に「気」を整え、悲しみから抜け出しやすくなります。できる範囲でいいので、日常生活に気功の動作や呼吸法を取り入れると心身ともにリフレッシュできます。

4. ポジティブな言葉に触れる

悲しみの思考をポジティブに変えるためには、「励ましの言葉」や「感謝の言葉」を意識して使います。日々の中で「ありがとう」「嬉しい」「やってみたい」という言葉に触れることが、心の癖を変えるきっかけになります。

一義流気功治療院では、悲しみにどう対応しているの?

これまで、専門的ではありますが、あくまでも一般的な尺度での解説をしてきました。一義流気功独自の観点を加えて、さらに深堀りしていきます。

悲しみは、心の浄化をもたらす

悲しみに含まれる、強烈な快感とは?

このお話は、ほとんどの人にとって、感覚的に理解不能になります。「悲しいのは、苦しいに決まっている。そこに快感なんてあるはずはないし、自身の経験を思い返しても分からない」といったところです。

悲しみが起こる時、そこには必ず何らかの苦痛があります。何もないのに意味不明な涙が溢れて悲しくて溜まらないといった状態もありますが、それは心の中に溜め込んだ苦痛ゆえです。悲しみは、そこから苦痛を取り除けば、実は強烈な快感そのものです。人は悲しい時、「苦痛」+「快感」の合わさったものを味わっています。そこで多くの人は、苦痛は自覚できても、快感の方は自覚に及びません。

精神的苦痛、心の傷は、潜在意識が直視して初めて治癒機能が動きます。顕在意識(自覚できる表面上の意識)がそれを直視すれば、自ずと繋がっている潜在意識も追従します。ただ精神的苦痛は、直視すればするほど、味わう苦痛も大きくなります。目を背けて見ないようにすれば、いくらかは楽です。だからその時、悲しみという感情が生み出されます。悲しみの強烈な快感をもって耐性を上げて、直視を可能にしてくれます。

直視して、苦痛を浄化する

あらゆる感情には、気の波があります。というより、気の波そのものが感情の実体です。精神的苦痛、辛さには辛さの気があります。これに悲しみの気を合わせて、形を整えます。この作用は、ぐちゃぐちゃに乱れたものが、心地よい綺麗なものに変わる動きです。それは感覚的に、浄化という表現が馴染みます。

ですから多くの人が、悲しみ尽くした後に、心が綺麗に掃除された感覚、クリアに澄んだ感覚を覚えます。

悲しみは、最後まで全うする

悲しみは、「強烈な快感をもって苦痛を直視しながら、心を浄化させるもの」だとご説明しました。ですから悲しみはネガティブな感情ではなく、苦痛を抜いて心を健全化させる一つの手段です。

ただ人間の精神は器用なもので、悲しみもある程度はコントロールできます。まだ浄化すべき苦痛が残っているのに、中途半端なところで中断できてしまうのです。また極端に悲しみを嫌う人は、悲しみに入った途端にそれを拒絶します。すると精神的苦痛が処理されずに残り、溜めれば溜めるほど、心に負担をかけ蝕みます。

ですから悲しみは、最後まで全うして悲しみ尽くしておかなければなりません。

悲しみを動かす治療

一義流気功には、そのようにして溜め込んだ悲しみを動かし、その役割を全うさせる治療があります。溜め込んだ悲しみを自分で改めて処理するのは、実はかなり難しい作業になります。その出来事そのものを忘れてしまっていたり、覚えていても本人は乗り越えたつもりでいたり、どうにも捕らえ尽くせるものではありません。

これを本人の気付きや内省を抜きに、潜在意識にある『止められた悲しみ』を動かし、最後まで全うして消化するのがこの治療です。

潜在意識から、情報を引き出す

どれほど多くの悲しみを溜め込んでいるのか、それを自分自身の潜在意識は正確に把握しています。そこから情報を引き出し、状況を判断します。そこで、悲しみを動かして消化する治療を行うべきか、それとも本人が悲しみと向き合うことで乗り越えるべきか、方向性が定まります。

まとめ、結論

「いつも悲しい」という状態は、単なる気分の問題ではなく、過去の体験や欲求の未充足、思考のクセ、脳内物質のバランスなど、多くの要因が絡み合って起こります。心理学的には、自分の感情を否定せず受け入れ、小さな成功体験を積み、信頼できる人に話すこと、認知行動療法で思考を修正することが効果的です。一方、気功は呼吸法や穏やかな動作で「気」の流れを整え、心身のバランスを取り戻す手段となります。日常生活では規則正しい生活、セルフケア、ポジティブな言葉、そして気功の習慣化が回復を促します。

一義流気功では、悲しみを「苦痛を直視しながら心を浄化させる手段」と本質を捉えています。必要とあれば、溜め込んだ悲しみを動かして消化する治療も行い、心の健全化をもたらします。

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