現実感がない、頭がふわふわする、自分ではないように感じる。集中力が続かない、人と話していてもどこか上の空になる、景色や人の声が一枚フィルター越しに感じられる。そして最終的には、「生きている実感」そのものが薄れる。この状態を経験した人は少なくなく、医学や心理学の分野では「離人感」「非現実感」として研究や報告が積み重ねられています。
背景には、心の防御反応、自律神経の乱れ、呼吸や血流の問題、栄養バランス、さらには精神疾患や薬物の影響など、いくつもの要因が考えられます。
この記事では、まず現実感がない・ふわふわする状態がどのようなものかを整理し、次に一般的に行われている改善方法を確認します。その上で、気功治療という視点から、心と体の両面に働きかけて現実感を取り戻すアプローチについて解説していきます。
現実感がない・ふわふわするのは何故か?

現実感がない、頭がふわふわする、自分ではないように感じる状態は、医学や心理学の分野で「離人感」や「非現実感」と呼ばれます。
周囲の景色が急に遠くなったように見えたり、自分の体を上から眺めているように感じたりして、現実とのつながりが弱くなった感覚が続きます。多くの場合、脳や心、体の負担が重なった結果として現れ、単純な一つの原因だけでは説明できない背景があります。
現実感がない・ふわふわするとは
現実感のなさは、あらゆる認知の解像度が低い状態です。よくテレビのスペックで2K、4Kと言いますが、解像度が高いほど画面が鮮やかになり、より細かい部分までクッキリと鮮明に映ります。現実感のない状態では、目に映るものだけではなく五感の全てが曖昧になります。加えて思考力も鈍り、目覚めたばかりの寝ぼけているような状態です。覚醒しているのに、世界がぼやけている。まるで現実ではない夢の中にいるような感覚です。
そのような状態では、自分という存在も曖昧になります。自分の発する声なのに、よそよそしく感じる。自分の意志で動かしている体なのに、自分の体という感じがしない。自分は自分であるという自己認識が弱まり、「自分がここにいる」という実感が薄くなります。
頭がふわふわする。地面が遠く感じる。家族や友人だと理解しているのに、どこか遠い存在のように思える。これらも、現実との繋がりが弱まっているサインです。
心の防御反応としての離人感・非現実感
強い精神的苦痛から身を守るために、あえて感覚を鈍らせる。心の防御反応としての離人感・非現実感があります。突発的なストレスでも、トラウマの積み重ねでも起こり得る現象です。家族など身近な人が亡くなった時に、何だか不思議と悲しくない。少し時間を置いて、何かの切っ掛けで強烈な悲しみが襲ってくる。といった話をどこかで聞いた経験があるかと思いますが、これもその一つの姿です。
幼少期からの虐待や家庭内暴力の経験、事故や災害などの強いストレスは、こうした離人感・非現実感と引き起こす原因として頻繁に報告されています。ただし、そこまで極端な出来事がなくても、仕事、人間関係、経済的な不安などなどでも、同様の現象が起こり得ます。
自律神経の乱れとストレス
現実感がない、ふわふわするといった症状は、自律神経の乱れと深く関係する場合があります。自律神経は、呼吸、心拍、血圧、体温などを自動で整える仕組みであり、強いストレスや不安、睡眠不足などが続くと、このバランスが脅かされます。慢性的な交感神経への偏りは、血流の悪化と浅い呼吸を招きます。そこから、軽いめまいやふらつき、頭のふわふわ感へと繋がります。
こうした状態では、視界の情報や体の感覚を脳が整理しにくくなり、「現実感が遠のく」状態になります。
浅い呼吸、血流の滞りの影響
前の自律神経の項目で、「血流の悪化と浅い呼吸が、現実感のなさの原因となる」とお伝えしました。その一つの原因として自律神経の乱れがあった訳ですが、他の原因によっても、当然、同じような状況が作られます。精神的な緊張、姿勢の悪さ、体の冷え、運動不足、長時間の作業による体のこわばり、慢性的な疲労など、例を挙げればキリがありません。
頭部への酸素不足、血流不足は、直接的に意識をぼやけさせます。立ちくらみ、めまい、フラフラと足が地につかない感覚、認知力・思考力の低下などを招き、ここから同様に現実感のなさに繋がっていきます。
栄養バランスの欠落
栄養バランスの乱れも、その原因の一つです。体と脳は、日々の食事から得る栄養をもとに働きます。脳を正常に機能させるには、適切な血糖値、十分な鉄分、ビタミン、ミネラルなどの栄養素が土台になります。このバランスが崩れることで、認知能力、覚醒状態の維持に悪影響が及びます。
極端な食事制限や食事回数の減少によって血糖値が大きく上下すると、急なだるさや強い眠気、頭のぼんやり感が現れます。集中力の低下、意識がかすんだようになり、現実感が弱まったように感じられます。
また、鉄分やビタミンB群、マグネシウムなどの不足は、酸素運搬や神経伝達の効率を下げ、疲れやすさやふらつき、思考の鈍さをもたらします。見た目の世界や音をクリアに認識できず、世界がフィルター越しに見えるような感覚、自分だけが浮いているような感覚になります。
精神疾患や薬物・物質との関連
現実感がない、自分じゃない気がする状態は、うつ病、不安障害、パニック障害、解離性障害などの一部として現れる場合があります。特に、解離性障害の一つである「離人感・現実感消失症」では、非現実感が長期間にわたって続き、日常生活に支障が出やすくなります。ここでは多くの場合、既にお伝えした「心を防御する」意味が含まれます。
また、アルコールや違法薬物の使用、特定の向精神薬の影響によって、一時的な離人感や非現実感が現れる場合もあります。この背景では、脳の情報処理と感情の処理がうまくかみ合わず、周りの世界と自分の間に膜が張られたような感覚が続く傾向があります。
複数の要因が重なるケース
これら要因は、複数のものが重なり得ます。精神的ストレスがあれば、自律神経は交感神経に優位となり、体は緊張して呼吸は浅くなります。そこから過食や甘い物への依存、逆に食欲の低下など、食生活の乱れも生じるかもしれません。このような要素が複合的に重なり、結果として現実感のなさに帰結していくイメージです。
ですから原因を単独に絞って解決するのではなく、心身を広くとらえて包括的に対応していく必要性があります。
一般的に行われている改善方法

第1章で触れたように、現実感のなさやふわふわした感覚には、心の防御反応、自律神経の乱れ、呼吸と血流、栄養状態など、複数の要素が絡み合います。ここでは、それらに対して一般的に用いられている改善方法を整理しながら、「なぜそれが役に立つのか」という視点も含めて解説します。
自律神経を整える生活習慣
現実感のなさが続く背景には、交感神経と副交感神経のバランスの崩れが関わる場合があります。そこで、生活習慣の見直しによって、自律神経の振れ幅を穏やかにし、体が「休む」「回復する」時間を確保する取り組みが行われます。
まず重要になるのは、睡眠の質とリズムです。就寝と起床の時刻が日によって大きくぶれると、自律神経のリズムも揺れやすくなり、覚醒と休息の切り替えが上手く行かなくなります。寝る時間帯を一定に保ち、寝る直前の強い光や情報刺激(スマートフォンやパソコンなど)を減らすことで、体が「休息モード」に入りやすくなります。加えて、日中の過ごし方です。朝に自然光を浴びる、昼間になるべく体を動かす、夜にかけてカフェインや刺激物を控えるといったシンプルな習慣は、体内時計と自律神経のリズムを整える助けになります。
こうした取り組みは、劇的な変化というよりも、少しずつ「自分の輪郭がはっきりしていく」ための土台として機能します。
心理的アプローチとセルフケア
現実感がない、自分ではないように感じるといった体験には、心の防御反応としての側面があります。そのため、心理的なアプローチによって、ストレスの扱い方や「感じ方」のクセを整える試みが行われます。
代表的な方法として、カウンセリングや心理療法があります。認知行動療法に代表されるアプローチでは、トラウマのケア、自己否定感の軽減など、感情や記憶の扱い方を少しずつ変えて心を整理します。精神的負担を軽くし、防御としての離人感や非現実感に頼る必要のない状態を目指します。
一方で、日常生活の中で行うセルフケアも有効です。例えば、マインドフルネスやグラウンディングと呼ばれる方法では、「今ここ」に意識を戻す練習を行います。見えている世界、聞こえている音、手足で触れている質感や温度などの感覚、呼吸の動き、など小さな感覚に注意を向け直すことで、「自分が今この場にいる」という感覚を少しずつ取り戻していきます。
身体から整えるリラクセーション
血流と呼吸を改善させるのに、様々なリラクゼーションも有力な選択肢です。一般的には、軽いストレッチやヨガ、呼吸法などが用いられます。体の緊張がほぐされることで、自律神経を整える効果も期待できます。また並行して、ウォーキングなどの有酸素運動も効果的です。
医療機関での評価と薬物療法
うつ病、不安障害、パニック障害、解離性障害などの症状の中に現実感のなさが含まれる場合、医療機関での対応が最優先になるでしょう。
医療機関では、問診や必要に応じた検査を通じて、背景にある疾患や状態を見極めます。その上で、抗不安薬や抗うつ薬などを用いて、過度な不安や緊張、気分の落ち込みを和らげる治療が行われます。薬は症状の土台にある不安やうつ状態を和らげるために用いられ、離人感や非現実感そのものが間接的に軽くなるケースもあります。
ただし、薬だけで全てが解決するわけではありません。多くの場合、生活習慣の見直しや心理的アプローチと併用しながら、心身全体のバランスを整える包括性が重要です。
栄養状態と体調のケア
栄養状態を改善し、脳を機能させる身体的土台を整備します。具体的には、極端な食事制限や不規則な食事時間を避け、主食・タンパク質・野菜を基本とした食事を、一定のリズムでとることが勧められます。これにより、血糖値の急激な上下を防ぎ、脳が安定したエネルギー供給を受けやすくなります。また、鉄分やビタミン、ミネラルについても、バランス良く摂取する必要があります。より正確に取り組むのであれば、必要に応じて医療機関などで検査を行うと良いでしょう。
あわせて、過労や睡眠不足を慢性化させないことも重要です。休養を確保し、体力の回復を図ることは、心の状態を整える上でも欠かせません。
一般的な方法で改善しにくい場合
生活習慣の見直しや心理的アプローチ、体のケアや医療機関での治療を行っても、現実感のなさが残る場合があります。その背景には、長年にわたるストレスやトラウマ、深く根づいた体の緊張パターンなど、より複雑な要因が潜むケースもあります。
そのような場合でも、「改善しない=自分が弱い」という意味にはなりません。むしろ、心身に蓄積した負担が大きいために、一般的な対処法だけでは届きにくい層が残っていると捉えられます。こうしたときには、視点を少し変えて、心と体の両面からより丁寧に働きかける方法を検討する価値があります。
この先では、一般的な方法では改善しにくい現実感のなさに対して、気功治療がどのような視点とアプローチを提供できるのかを紹介していきます。
一義流気功治療院では、「現実感のなさ」にどう対応しているの?

それでは一義流気功治療院(東京都荒川区)では、現実感のなさにどう対応しているのでしょうか? トラウマなどメンタルの原因、血流の悪さや呼吸の浅さといった肉体の原因など、包括的に対応をしています。
心の毒(精神的苦痛)を軽減する
心の毒は、気の一種である
気とは、精神活動によってゼロから生み出されるエネルギーです。思う、意図する、感情が動くなど、あらゆる精神活動は気を生み出す作業でもあります。精神的苦痛も、その一種です。辛い、苦しいと感じた時、そこには精神的苦痛が形ある物として生み出されています。一義流気功では、これを「心の毒」と表現します。
心の毒は、増える・溜まる
人間の精神には、自身を健全に保つ自然治癒機能が備わっています。ですから辛い・苦しいことがあって追い込まれても、大抵は抜け出して健全な状態を取り戻します。けれども自然治癒機能が十分に働けない、あまりに心の毒の生産量が大きい場合、その足し算と引き算のバランスが崩れます。そのようにして心の毒が増えるほど、精神状態の下降圧力が強くなり、追い込まれていく図式です。
心の毒を軽減させる
一義流気功には、心の毒への本質的理解があります。心の毒を直接的に減らす治療の他、心の毒の自然治癒機能を回復させる、あるいは新しく備えさせる治療が存在します。
心の毒が軽減されて精神状態の下降圧力が減れば、「現実感をなくす自己防衛」の必要性もなくなります。
血流、呼吸を改善させる
血流の悪さ、呼吸の浅さには、直接的には筋肉の硬直が原因となります。悪さをしている筋硬直をほどくことで、血流の改善、呼吸を深くします。
過去や物への精神エネルギーの分散
人間の精神活動は、複数の軸を持てます。例えば、車の運転一つをとっても、複数の精神活動が合わさっています。車体が正しく進行する方に向いているか、信号は何色か、標識の意味、端を走る自転車は安定しているか、スピードメーターの数字、アクセルワーク、ハンドリング、ラジオ放送の話を理解したり感想や考えを持つ、同乗者との会話など、ざっと挙げただけでも、このボリュームです。これが狭く難しい道だったら、話が変わってきます。ラジオ放送を聞いたり同乗者との会話に興じる余裕がなくなります。運転そのものに、意識を集中しなければなりません。
このように、人間の精神にはエネルギーの総量があります。そこから任意に割り振る形で、様々な精神活動を同時に行っています。この割り振りにおいて、普段から過去や物に多くの精神エネルギーを向けているケースがあります。すると、「今、ここにいる自分」の分が目減りします。その結果として、現実感が薄くなります。
先にも触れたマインドフルネスなどは、この配分を調整する試みです。けれども事情があって分散されている精神エネルギーは、これでは戻って来ない場合も珍しくありません。その問題を解決することにより、精神エネルギーの分散をなくします。
潜在意識から情報を得る
現実感をなくしている原因を完全に把握することは、本人にもプロフェッショナルな第三者でも極めて困難です。けれども自分自身の潜在意識は、そこにある現象と因果関係の全てを完全に把握しています。
潜在意識からその原因を導きだすことにより、必要な治療、日常生活での取り組み、全てが解明されます。これにより、一義流気功では、一人一人に合わせた適切で丁寧な対応が可能になります。
まとめ、結論
現実感がない・頭がふわふわする感覚は、医学・心理学の分野では離人感や非現実感と呼ばれ、多くのケースで心身の負担が重なった結果として生じます。強いストレスやトラウマ、自律神経の乱れ、浅い呼吸や血流不足、栄養バランスの乱れ、うつ病や不安障害などの精神疾患、薬物・アルコールの影響など、多くのものが要因となり得ます。
改善させる方法として一般的には、睡眠や生活リズムの調整、栄養の見直し、適度な運動やリラクセーション、カウンセリングや心理療法、必要に応じた薬物療法などが用いられます。
一義流気功では、心の毒(精神的苦痛)を減らす、血流と呼吸の改善、精神エネルギーの分散を「今の自分」に取り戻す、など包括的で根本的な対応を行っています。
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