原因不明の体調不良「不定愁訴」―症状の特徴と効果的な対策法

病気や症状

なんとなく体がだるい、頭痛やめまいが続く、でも病院で検査をしても「異常なし」と言われてしまう――そんな「原因不明の体調不良」に悩んでいませんか?不定愁訴は、はっきりとした病気が見つからないのに、さまざまな不調が現れる状態を指します。本記事では、不定愁訴の症状の特徴や、日常生活でできる効果的な対策について詳しく解説します。

原因不明の謎の症状群、不定愁訴とは何か?

不定愁訴の意味・定義

不定愁訴(ふていしゅうそ)とは、原因がはっきりしないにも関わらず、なんとなく体調が悪い、あるいは複数の不調を感じる状態を指す医療用語です。たとえば「体がだるい」「頭が重い」「眠れない」「イライラする」「めまいがする」など、身体的・精神的なさまざまな症状が現れるのが特徴です。検査をしても明確な異常が見つからず、「原因不明の体調不良」という漠然とした診断になります。

「愁訴」とは、「苦しみや違和感を口に出して訴えること」という意味です。患者本人は確かに不調を感じているものの、医療機関での検査では異常が認められないものを指します。このため、周囲に理解されにくかったり、「気のせい」「普通によくある体調不良を大袈裟にしている」と軽視される傾向もあります。

さまざまな症状とその特徴

不定愁訴の症状は人によって異なり、ひとつの症状が長く続く場合もあれば、複数の症状が不定期に現れる場合もあります。代表的な症状には、全身のだるさ、頭痛、肩こり、冷え、便秘や下痢、めまい、むくみ、不眠、イライラ、気分の落ち込みなどがあり、身体的なものから精神的なものまで多岐にわたります。

なぜ「原因不明」と言われるのか

不定愁訴が「原因不明」と言われる理由は、医療機関で検査をしても、症状の原因となる明確な病気や異常が見つからないことが多いからです。また、不定愁訴はストレスや生活習慣の乱れ、ホルモンバランスの変化、自律神経の乱れなど、複数の要因が複雑に絡み合って生じると考えられています。特に女性の場合、ホルモンバランスの変動が大きく影響することが多く、更年期や月経前後に症状が強くなる場合もあります。

このように、不定愁訴は「検査では異常が見つからないが、確かに存在する体調不良」です。対応の仕方も分からず、多くの人が悩まされています。

不定愁訴の症状、一覧

不定愁訴の代表的な症状の一覧です。これらの症状に該当するなら、不定愁訴を疑ってください。ただし、検査の結果で不定愁訴ではなく、その他の病気であるケースは十分に考えられます。自分で不定愁訴と決めつけ、「どうせ検査をしても何も出て来ない」と思い込むのは危険です。

不定愁訴の症状一覧(肉体・メンタル別)

肉体的な症状

  • 体のだるさ、疲れやすい
  • 頭痛、頭重感
  • 肩こり、首のこり、腰痛、筋肉痛
  • めまい、立ちくらみ
  • 冷え、むくみ
  • 便秘、下痢、腹痛
  • 食欲不振、悪心(吐き気)
  • 微熱、風邪をひきやすい
  • 脱毛、爪の変形
  • 動悸、息切れ、胸痛
  • 耳鳴り、目の疲れ
  • 口角炎、のどのつかえ感

メンタル(精神的な)症状

  • イライラしやすい
  • 気分が落ち込む、抑うつ
  • 不安感、神経過敏
  • 不眠、眠れない
  • 注意力の低下
  • やる気が出ない、無気力感
  • 緊張しやすい

不定愁訴の症状は一定ではなく、日によって変化したり、長期間同じ症状が続いたりします。複数の症状が同時に、あるいは入れ替わり現れるケースもあります。

不定愁訴への医療の対応

原因不明の不定愁訴ですが、医療現場では多角的なアプローチが取られており、一定の成果を出しています。

詳細な問診と除外診断

まず医療機関では、症状や生活習慣、ストレスの有無などを詳しく聞き取り、必要に応じて検査を行います。これは、重大な身体疾患や精神疾患が隠れていないかを見極めるためです。検査で明らかな異常がなければ、不定愁訴として扱われます。

ここは勘違いされがちなのですが、「検査で異常がない」=「異常がない」ではありません。症状が出ているからには異常はある訳で、それを見つける検査が存在しない、あるいは適切な検査が行われていないということです。

生活習慣の指導とカウンセリング

不定愁訴の多くは生活習慣やストレス、自律神経の乱れが関与しているため、医師は睡眠・食事・運動などの生活習慣の改善をアドバイスします。また、必要に応じてカウンセリングを行い、ストレスや心理的な負担の軽減をサポートします。

薬物療法

症状が強い場合、更年期などホルモンバランスの影響が疑われる場合には、ホルモン補充療法(HRT)や漢方薬、必要に応じて抗不安薬や抗うつ薬などの薬物療法が検討されます。特に更年期女性にはHRTが有効なケースも多いですが、精神的な症状には漢方薬や向精神薬が使われることもあります。

適切な診療科の案内

症状や年齢、性別によっては内科や婦人科、心療内科など、適切な診療科への案内や紹介が行われます。どの科を受診すべきか分からない場合は、まずは内科や婦人科で相談するのが無難です。

不定愁訴を自分で改善するには?

不定愁訴は、生活習慣の乱れ、心身のストレス、ホルモンバランスの乱れ、自律神経の失調などが影響しているといわれています。特に女性は、ホルモンバランスの影響を受けやすく、体内のあらゆる働きをコントロールしている自律神経が不調になることで体調不良を引き起こしやすい傾向にあります。こちらでご紹介するセルフケアをお試しください。

生活習慣の見直し

十分な睡眠

7~8時間の質の良い睡眠を毎日確保することで、自律神経のバランスが整いやすくなります。

規則正しい生活リズム

早寝早起きや、毎日同じ時間に起きる・寝る習慣をつけることで、体内リズムが安定し不調が和らぎます。

適度な休息

無理をせず、こまめに休憩をとることで心身のリセットができます12

食生活の改善

バランスの良い食事

主食・主菜・副菜をそろえ、栄養バランスを意識した食事を心がけましょう。必ずしも一日三食にこだわる必要はありません。消化器が弱く、朝ごはんを食べるのが苦痛という人は、朝食なしで二食でも大丈夫です。むしろ無理やり食べて消化器に負担をかける方が良くありません。

鉄分やビタミンの摂取

特に女性は鉄分やビタミン不足が不定愁訴の一因となることが多いため、意識して摂取しましょう4

運動習慣をつける

ウォーキングなどの軽い運動

毎日続けられるウォーキングやジョギングなどの軽い運動は、ストレス発散や自律神経の安定、血流の促進に役立ちます。

ストレッチで筋肉を柔軟に

ストレッチ、ヨガなどで筋肉を伸ばし、柔軟性を保ちましょう。筋肉の硬直は血流とリンパの流れを滞らせ、冷えや自律神経の乱れの原因になります。骨格が歪む、内臓機能が弱る、など筋硬直から派生する悪影響は軽視できません。

ストレス対策・リラックス

日々の気晴らし

趣味や外出、友人との会話など、自分なりのストレス解消法を見つけて積極的に取り入れましょう。

リラクゼーション

入浴や深呼吸、瞑想、アロマテラピーなどで心身をリラックスさせることも効果的です。

体を温める

体を冷やさないようにし、温かい飲み物や入浴で体温を上げると、血流が良くなり、リラックス効果も高まります。

セルフケアの考え方

不定愁訴の場合、明確な原因は分かりません。けれどもその多くは、日常生活のどこかにあります。不定愁訴を治すという意識はとりあえず置いておいて、心身全体を健康にする方向性で取り組んでください。その改善の中に不定愁訴の原因が含まれていた時、自ずと一緒に症状も良くなっていきます。

一義流気功では、不定愁訴にどう対応するの?

原因不明、症状の意味が分からない不定愁訴に、一義流気功はどう対応するのでしょうか?不定愁訴の捉え方、改善方法をお伝えします。

症状の意味

多くの症状は、体を良くするために出すもの、あるいはそれに伴うものです。例えばケガをして炎症するのは、組織を修復させるため。風邪を引いて発熱するのは、免疫機能を上げるためです。不定愁訴の症状の多くも、実は同様に体を良くするために出ているケースが多いです。

ただ不定愁訴という見立てになるからには、ある程度以上の長期に渡って症状が続いています。ですから肉体全体の健康状態が落ちて、症状を使いながら懸命にバランスを取ろうとする。これが多くの人にとっての、不定愁訴の全体像のイメージです。

潜在意識から情報を引き出し、状態と症状の意味を明らかにする

自分自身の潜在意識は、肉体の状態を詳細に把握しています。肉体全体の健康状態、症状の意味と背景、どうすれば改善できるのか、これら全てを潜在意識から情報を引き出し、明らかにします。その上で、必要な治療、日常生活での改善を決定します。

この記事でもセルフケアをお伝えしていますが、どうしても当てずっぽうになるのは避けられません。潜在意識に尋ねることにより、ピンポイントで必要な取り組みが分かります。

行う治療

不定愁訴に至る背景は様々ですので、不定愁訴だからこれという決まり切った治療法はありません。全体の傾向では、自律神経の副交感神経を深く優位にする、神経の圧迫を解放する、呼吸を深くする、トラウマやストレスを減少させる、といったものが多く出てきます。

まとめ、結論

不定愁訴は、医療でも原因がはっきりしない体調不良です。改善には、生活習慣の見直しやストレスケアなどのセルフケアが有効です。症状に対して何かを行うというよりも、全体として健康状態を向上させるイメージです。ただその取り組みに、根本的な部分での限界を感じる方も少なくありません。

一義流気功では、健康状態全体を捉え、症状の意味を明らかにします。その上で、必要な治療を行い、セルフケアとしてすべきことを助言します。


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