インターネット依存症の治し方、原因と危険性を気功治療の専門家が解説

心身の健康

インターネットは、情報を得る、情報発信、他者とのコミュニケーション、エンターテイメント、買い物、勉強など、ビジネスでも日常生活でも、幅広く利益をもたらす極めて優れたツールです。ただそれ故に、依存対象としても大きな社会問題になっています。

ここではインターネット依存症の一般的な見方と取り組み、一義流気功から見たその本質と対処法をお伝えします。

一般的に、インターネット依存症とは?

インターネット依存症の定義

インターネット依存症は、現代のデジタル社会において急速に問題視されている新しいタイプの依存症です。インターネット依存症とは、ネット利用を自分でコントロールできない状態を指します。

スマートフォンやパソコンの普及により、誰もが簡単にインターネットにアクセスできるようになりましたが、その利便性の裏で、過剰なネット利用が心身や社会生活に悪影響を及ぼすケースが増加しています。単なる長時間の使用とは異なり、生活の中心がインターネットに占められ、日常生活に支障が生じます。

主な症状、チェックリスト

インターネット依存症の症状は多岐にわたります。またこれらはチェックリストにもなりますので、3個以上、当て嵌まる場合には、その傾向を強く疑ってください。

・インターネットの使用時間が増え、途中でやめるのが困難になる。
例:オンラインゲームやSNS、動画視聴に没頭し、数時間から時には十数時間も連続して利用する。
・睡眠不足や食事の不規則化、入浴を怠るなど、基本的な生活習慣が乱れる。
・学校や仕事を後回しにし、学業成績の低下や職場でのパフォーマンス低下が見られる。
・家族や友人との約束を守れず、コミュニケーションが希薄になる。
・インターネットが使えない状況になるとイライラや不安、無気力感など精神的な不調が現れる。
・オンラインゲームの課金やネットショッピングによる浪費で借金を抱えるケースもある。

これらの症状が複数当てはまる場合、インターネット依存症のリスクが高いと考えられます。

依存症のメカニズム

インターネット依存症は、本人の意志の弱さや性格の問題ではなく、脳の報酬系が強く刺激されることによって引き起こされます。ネット利用による快感や達成感が脳に強く刻まれ、繰り返し利用を促すため、自分の意志で止めるのが困難になります。これは薬物依存症やアルコール依存症と同様の神経生物学的な背景があるとされ、単なる習慣や趣味の枠を超えた病的な状態です。

環境の変化

依存症を増加させた要因として、環境の変化も見過ごせません。日本でインターネットが普及したのは、初代Windowsの登場以降です。当初はインターネットは電話回線で行われ、現在に比べると多額の費用が必要になりました。けれどもそこから、夜から朝までの時間帯限定で定額でネットを利用できるテレホーダイ、時間帯に関係なく常時定額利用ができるADSL、常時定額および高速で利用できる光回線と、インターネット利用の利便性は拡大していきました。それに伴い、インターネットで利用できるサービスも進化、現在の状況があります。

またスマートフォンの登場は、さらに環境を一変させます。常に持ち歩けるハードウェアは、インターネット環境を生活必需品の地位まで押し上げました。

もたらす悪影響

インターネット依存症は、身体的・精神的・社会的に多くの悪影響を及ぼします。身体面では、長時間の画面注視による視力低下、睡眠障害、肩こりや頭痛、運動不足による体力低下などが報告されています。精神面では、感情のコントロールが難しくなり、意欲や集中力の低下、うつ状態や不安感の増加、孤独感の強まりが見られます。

社会的には、家族や友人とのコミュニケーション不足が深刻化し、社会的孤立を招くこともあります。特に若年層での発症が目立ち、家庭環境や精神的ストレスが依存を助長する要因となっています。さらに、抑うつ感や自殺念慮との関連も指摘されており、精神保健の観点からも重大な問題です。

一義流気功では、インターネット依存症をどう捉えるか?

インターネット依存症は、どのような過程で至るのか、その背景には何があるのか?をさらに深く掘り下げて行きます。

インターネット依存症をもっと細分化して捉える

一言、インターネット依存症という言葉で括っても、その中身はそれぞれです。YoutubeやTikTokなどの動画視聴、NETFLIXやアマプラなどでのコンテンツ視聴、漫画、ゲーム、SNS、学習サプリなど、その先には莫大な選択肢があります。また同じYoutubeでも、エンタメ系、雑学系、音楽系など、さらに細分化されます。SNSでも、情報に触れて「いいね」やコメントをするのが好きなのか、情報を発信するのが好きなのかで、話がまるで違います。また情報を発信するのが好きだとして、同じ趣味の人たちで繋がっているのが良いのか、多くの人に反応してもらうのが良いのかでも、やはり違います。

外部から見る分には、ずっとパソコンの前にいる、ずっとスマホをいじっている、という姿は同じでも、やっている事の中身はまるで違う訳です。昔であれば、溜まり場になっている友達の家に入り浸っている人、暇さえあればゲームセンターにばかり行っている人、家から出ずに漫画ばかり読んでいる人、レコードばかり聴いている人などの見た目が同じになっているだけです。

ですから、その人がインターネット自体に依存しているのか、特定のコンテンツや行動に依存しているのか、あるいは単に利用時間が多いだけなのか、幅広い視点で捉える必要があります。

どのような人を、インターネット依存症と捉えるべきか?

承認欲求からSNSに依存している人は、SNS依存であってインターネット依存ではありません。映画やドラマの視聴に依存している人は、映画中毒やドラマ中毒です。それを得る機会がたまたまインターネットだっただけの話で、インターネットそのものに依存している訳ではありません。ですから仮に彼らからインターネットに接続する機器を奪ったとしても、別の手段で承認欲求を満足させようとするでしょうし、映画館やテレビで視聴するようになるだけでしょう。

それでは、インターネット依存症という括りは、どのような行動をする人物に当てはめるべきなのでしょうか。それは特定の何かにのめり込むのではなく、SNSをやったり動画を見たり、とにかく暇さえあればインターネットと繋がり、何かをしていないと落ち着かない人でしょう。

退屈耐性の低さが、インターネット依存症を招く

その意味でのインターネット依存は、スマホの普及によって誕生したスマホ病と言えるでしょう。スマホを起動させさえすれば、そこにはSNSでの誰かの情報発信があり、自分の投稿への反応がある。ちょっとした面白いショート動画を、次から次へと視聴できる。読みかけのマンガが更新されている。ゲームの続きが出来る。5分や10分どころではなく、1分の空き時間でも何かが出来ます。

そんなちょっとした空き時間を気軽に埋められるようになった結果、多くの人は以前に増して、何もしていない退屈な時間をより苦痛に感じるようになりました。ただ物事には、程度の違いがあります。仕事や勉強で忙しくしている中で、ちょっとした空き時間をスマホで埋めている分には、インターネット依存症とはまだ言えないでしょう。けれども仕事や勉強、本来、行動の中心になるべき事に身が入らず、多くの時間を無為にスマホに費やすに至れば、インターネットは現実と退屈の逃避場所です。逃避の要素が入り、そこに長い時間を縛られた段階で、どこかに依存症と括る境界線があります。

一義流気功での、インターネット依存症への取り組み

潜在意識から情報を引き出し、依存の有無と対象、背景を明らかにする

潜在意識は、自身の精神状態について全てを把握しています。そこから依存の有無、依存があるなら何に依存しているのか、その背景と理由は何か?を明らかにします。

精神状態を引き上げる

精神状態が悪く、心が何かのカンフル剤を必要としているのなら、その必要性を薄めれば改善します。カンフル剤を必要としなければ、行為自体が薄らぎます。

異常反応の解体と心の毒の減少

心の毒とは、精神的苦痛そのものです。心の毒が溜まると、精神状態への下降圧力となります。異常反応は、心の毒を色濃く深刻にさせるものです。胎児から2才の間に形成され、一度、形成された異常反応は変わりません。大きく異常反応を持つほど、精神は弱く不安定になります。薄れない解決できないトラウマ、うつ病などの精神疾患の背景に、この異常反応があります。

異常反応の解体と心の毒の減少は、精神状態の下降圧力をなくします。精神状態を高く保てれば、何かの刺激に頼る意味もなくなります。

依存そのものは、必ずしも否定されない

もしもインターネットによって、あるいはSNSや動画、ゲームなどの特定の何かで心が支えられているなら、その時はそれで正解です。依存は、必ずしも悪ではありません。無理にその行為を止める必要はなく、心の毒を減少させるなど、背景にある理由を解決する方に目を向けます。理由がなくなれば、依存も連れて自然に消えます。

また理由がなくなっても、習慣で依存と同じ行動が継続されるケースもあります。そのタイミングが来たら、やはり潜在意識から情報を得て、お伝えします。

まとめ、結論

インターネット依存症は、情報収集やコミュニケーション、エンターテイメントなど多様な利便性を持つインターネットの発展とともに拡大した現代的な依存症です。利用目的や依存の対象は人によって異なり、SNSや動画視聴、ゲームなど細分化された行動が背景にあります。依存症は意志の弱さではなく、脳の報酬系が強く刺激されることや、退屈耐性の低下、生活環境の変化など複合的な要因で引き起こされます。一般的な対策としては、生活リズムの見直しや専門家によるカウンセリング、運動や家族療法などが挙げられます。

一義流気功では、依存の有無や背景を潜在意識から明らかにし、異常反応の解体と精神状態の改善や心の毒(精神的苦痛)の減少などで対応します。無理に依存を否定せず、心の根本的な問題を解決することで、自然と依存的な行動が薄れていくというアプローチを取っています。

小池義孝の本

『知るだけで防げる うつの本』は、異常反応と心の毒との関係性を説明。『忘れたい過去が最短1分で消える!』は心の毒を自分で消すワークをご紹介しています。


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