この記事では、アルコール依存症についての一般的な定義に加えて、一義流気功独自の観点でさらにその本質を掘り下げて行きます。またアルコール依存症を改善するには、どうすれば良いのか?について、詳しくご説明します。
アルコール依存症とは何か?

アルコール依存症は、飲酒を自分の意思でコントロールできなくなる病気です。日常生活や健康、社会生活に深刻な影響を及ぼす段階で、アルコール依存症と位置付けられます。単なる「お酒好き」とは明確に異なり、飲酒による快感やストレス解消に依存、飲酒が習慣化し、自分の意思で止めるのが極めて困難になります。
アルコール依存症の主な症状
- 飲酒への没頭
飲酒が生活の中心となり、仕事や家庭、趣味など他の活動が後回しになります。 - 飲酒量の増加
納得できる満足感を得るために、徐々に飲酒量が増えていきます。 - コントロールの喪失
「今日は控えめにしよう」と思っても、結局大量に飲んでしまうなど、飲酒のコントロールができなくなります。 - 渇望
飲酒しないと落ち着かず、強い飲酒欲求に駆られます。 - 離脱症状
飲酒を控えると手の震えや発汗、不安、不眠などの離脱症状が現れ、再び飲酒してしまう悪循環に陥ります。 - 社会的・経済的問題
飲酒のために嘘をついたり、借金を重ねたり、家族や職場での人間関係が悪化することも多いです。
アルコール依存症になりやすい人の特徴
- ストレス対応が苦手
日常のストレスや不安、孤独感を紛らわすために飲酒を繰り返す人は、依存に陥りやすい傾向があります。 - 刺激や変化を求める
退屈や刺激不足を感じやすい人は、アルコールによる一時的な高揚感を求めて飲酒量が増えやすいです。 - 自己肯定感が低い
飲酒による「万能感」や「自分を大きく感じる」感覚で、自己肯定感の低さを補おうとする場合があります。 - 環境要因
周囲に飲酒習慣が根付いている、飲酒を勧められる機会が多いなどの環境も、依存症リスクを高めます。
アルコール依存症の心理的メカニズム
アルコール依存症は、単なる習慣や「意思の弱さ」ではなく、脳の報酬系や快感を司る神経回路が深く関与しています。アルコールを摂取することで一時的にストレスや不安が和らぎ、快感や達成感を得られるため、「飲むことで楽になる」「飲まないと辛い」という思考パターンが強化されます。
また、アルコールによる高揚感や万能感は、現実の問題やストレス、自己評価の低さから一時的に逃れる手段として働きます。しかし、飲酒による快感は長続きせず、やがて「飲まないとやっていけない」という依存状態へと進行します。
アルコール依存症がもたらす悪循環
アルコール依存症に陥ると、飲酒による一時的な快感やストレス解消を求めて飲酒を繰り返し、やがて健康面や経済面、職場や家庭などでトラブルが増加します。これによりさらにストレスや自己嫌悪が強まり、再び飲酒に頼るという悪循環が生まれます。
深刻なレベルに悪化すると……
アルコール依存症が極端に深刻なレベルにまで深刻化すると、心身・社会生活のあらゆる面で重大な問題が生じます。身体面では、肝硬変やアルコール性肝炎、膵炎、心臓病、糖尿病、がんなどの重篤な内臓疾患を発症し、命に関わります。特に肝硬変まで進行すると、肝臓の機能は元に戻らず回復が困難です。また、脳の神経細胞が破壊されることで認知症や記憶障害が進行し、日常生活すら困難になる場合もあります。
精神面では、うつ病や不安障害などの精神疾患を併発しやすくなり、自殺リスクも大きく高まります。判断力や感情のコントロールが失われ、暴力や事故、犯罪に巻き込まれる危険も増します。
社会的には、飲酒が最優先となるため、仕事を失い、経済的困窮や家庭崩壊、離婚、親権喪失、子どもへの虐待など、家庭や社会生活が破綻するケースが多発します。最終的には、本人の健康だけでなく家族や周囲の人々の生活にも深刻な悪影響を及ぼします。

深刻なアルコール依存症では、比較的若くして死亡するケースも目立ちます。また一旦は改善しても、長期で見ると20~40%と非常に高い死亡リスクを残します。
アルコール依存症への、一般的な対応

医療現場では
アルコール依存症の治療は、まず専門医による診断と治療計画の立案から始まります。治療の基本は断酒であり、患者本人の状態や家族の協力体制に応じて、入院治療または外来治療が選択されます。入院の場合、治療は「導入期」「解毒期」「リハビリテーション前期・後期」といった段階に分かれます。導入期では病気の理解と治療への動機づけ、解毒期では離脱症状の管理、リハビリ期では断酒の継続や生活の再構築を目指します。
その際、必要に応じて薬物治療が施されます。断酒補助薬や飲酒量低減薬では、飲酒欲求を抑えます。抗酒薬では、飲酒で辛い症状が出るようにして「酒を飲むと快感 → 酒を飲むと苦しい」に上書きを試みます。
また、心理社会的治療も重要な役割を担います。酒害教育や個人・集団精神療法、自助グループ(AAなど)への参加を通じて、断酒意欲の維持や社会的な支えを得ることが重視されます。最近では認知行動療法も取り入れられ、飲酒に対する考え方や行動パターンの修正を図ります。
日常生活において
日常生活では、断酒を継続するための具体的な工夫や行動が求められます。周囲の人に断酒の意思を明言し、飲酒のきっかけとなる場所や人間関係を避けることが大切です。空腹やストレス、疲労が飲酒欲求を高めるため、規則正しい食事や休息、ストレス管理も重要です。
また、趣味や生きがいを見つけて生活を充実させたり、断酒日記をつけて自分の状態を客観的に把握するのも有効です。自助グループやデイケアを利用し、家族や周囲の協力を得ながら断酒を支える環境を整えることで、再発防止につながります。
一義流気功、アルコール依存症への取り組み

一方、一義流気功ではアルコール依存症をどう見て、どう対応しているのでしょうか?
麻痺と高揚
アルコールに依存するに至る過程で、多くの人は思考で自分自身を傷つけています。あるいはその程度を軽くして、自分を助けられずにいます。気分転換や気晴らしであれば、他にも多くの手段があります。運動、映画、芸術、グルメ、人との交流……、それぞれ趣味嗜好はありますが、お酒しか楽しくないという性質ではないでしょう。ただ思考で自分を苦しめているタイプは、高揚と一緒に麻痺を必要とします。頭がぼやけて思考力が鈍ることで、ようやく心が解放されます。麻痺と高揚、この二つを同時に満たしてくれるお酒は、心の癒しにとって正に好都合だという訳です。
もちろん、他の手段でもそれらは得られます。例えば、スポーツに熱中して疲労とハイに入れば、嫌なことを忘れて熱中するという状態に入れるでしょう。映画でも、我を忘れてのめり込めば、似たような感じにはなります。ですが飲酒とは、お手軽さが違います。手っ取り早く、確実に心に麻痺と高揚をもたらすお酒に走るのは、人の弱さで性です。
心の毒の蓄積
心の毒とは、精神的苦痛そのものです。ここで気功の気の話をします。人は精神活動によって、気というエネルギーを生み出します。思う、意図する、考える、感情が動く、などあらゆる精神活動は、気を生み出す作業そのものです。その中に、辛い、苦しい、という精神的苦痛も含まれています。ここでは、気は物だと思ってください。物なので、溜まったり減ったりします。つまり精神的苦痛を多く生み出せば、その分、心の毒が溜まるということです。
心の毒が溜まると、精神状態と気分の下降圧力になります。それに焦点が当たっていれば大きく落ちますが、当たっていない忘れている状態であっても、完全に影響なしではいられません。心の毒を溜め込むほど、精神状態・気分は落ち込みやすく、上昇が難しくなります。
その下降圧力に一時的であろうと抗おうと、飲酒に依存するという訳です。
心の自然治癒を妨げる異常反応
ただし精神には、心の毒を処理して消す機能が備わっています。簡単に言えば、心の自然治癒力です。ですから心の毒が溜まり、アルコールに依存するまでに至るには、『心の毒の発生 > 心の自然治癒力』を長い時間、重ねてきた経緯があるはずです。
そこには様々な事情がありますが、多くの人が異常反応を大きく抱えています。異常反応とは、潜在意識の不合理な恐怖心で、胎児から2才くらいの間に形成されるものです。それを大きく抱えるほど、心の毒を大量に生み出し、心の自然治癒を妨げ、『心の毒の発生 > 心の自然治癒力』の状況を作りやすくなります。
異常反応の解体と心の毒の減少
一義流気功での取り組みの中心は、異常反応の解体と心の毒の減少です。異常反応を解体すれば、心の毒を減らす自然治癒力を上回らせる環境を作れます。心の毒の減少に従って下降圧力も減り、より上に精神状態と気分を取りやすくなります。それに従って、アルコールで麻痺と高揚を得る必要性が減っていきます。
また異常反応の解体と心の毒の減少は、その人の精神を自由にします。心の毒が減っても、直接的には認知の歪みを修正はしません。しかし理性の勢力が増して、歪みを歪みとして認識できるようになります。トラウマに縛られて、もしくは自分の心を守るためにあった歪みを、修正できる土台が作られるのです。
アルコール依存症は、複雑なパズルのようなものです。そうならざるを得ない精神状態の低下、精神力の低下、認知の歪みなどが合わさって、懸命な紆余曲折があってそこにいます。異常反応の解体と心の毒の減少は、この超難関パズルを、取り組めば解けるパズルに簡単にしてくれます。
潜在意識から情報を引き出す
これら全ての取り組みは、潜在意識から情報を引き出した上で行われます。異常反応の数値は? どの歪みがどう自分を追い込んでいるのか? 他に精神状態を上げる方法は? など丁寧に把握します。
まとめ、結論
アルコール依存症は、単なる「お酒好き」や意志の弱さではなく、脳や心の複雑なメカニズムが関与する深刻な病気です。医療的には断酒と心理社会的サポートが主な対応策とされますが、一義流気功では「心の毒」や「異常反応」といった独自の視点から、その本質にアプローチします。心の毒を減らし精神の自然治癒力を高め、アルコールへの依存を根本から和らげることを目指します。
小池義孝の本
『知るだけで防げる うつの本』は、異常反応と心の毒との関係性を説明。『忘れたい過去が最短1分で消える!』は心の毒を自分で消すワークをご紹介しています。



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