愛しいはずの我が子に愛情を感じない、愛せない。自分は情の欠落した欠陥人間なのでは?そう苦しむ親は、決して珍しくありません。特に母親は、多くの葛藤と実害を伴います。この記事では、愛着障害(アタッチメント障害)と呼ばれるこの現象の知られざる原因と解決方法『愛05』をお伝えします。
自分の子供への愛着障害(アタッチメント障害)とは何か?

愛着障害を持つ親の内心、心情
親自身が愛着障害を抱え、我が子への愛情を持てない場合、その内心には「愛情を持たなければならないのに、どうしても湧いてこない」という強い葛藤や罪悪感が存在します。
子供を見ても自然な愛おしさや温かい感情が感じられず、頭では「大切にしなければ」と理解していても、心が伴わない虚しさや冷たさを感じます。「自分は親として何かが欠けているのではないか」「他の親のように子供を愛せない自分はおかしいのではないか」といった自己否定や孤独感が強くなり、自分自身を責め続けることが多くなります。特に母親の立場では、一般常識として子を愛して当たり前。その葛藤は深刻になります。
子に対して、取ってしまう行動
こうした内面の葛藤や不安から、子供との適切な距離感がつかめず、接し方に迷いが生じやすくなります。子どものささいな言動に過敏に反応し、イライラが募って感情的に怒ってしまい、状況によっては虐待に発展する場合もあります。逆に感情を遮断して対応すれば、無関心や冷淡な態度が目立つようになり、子どもが甘えてきても素直に応じられず、義務的な対応や距離を置く行動が続きます。必要以上に厳しく接することや、親子のコミュニケーションが不安定になる傾向も強まります。
このような状態では、親自身の中で葛藤や孤独感が渦巻いているため、家庭内の雰囲気や親子関係全体に大きな影響を及ぼします。親として「愛情を持てない」という感覚は、単なる冷淡さではなく、愛したいのに愛せない苦しみと、他者とのつながりを実感できない寂しさが根底にある点が特徴的です。
家族の一体感を感覚的に理解できない
一体感とは、他人があたかも自分であるかのような感覚です。一般的に、親子の関係性では強く一体感があります。そこから自然と、自分と同じように大切な存在という位置づけになります。ここに自分の子供だという認識が加わると、自分よりも大切な存在と価値が高まります。
愛着障害を持つ親の多くは、前者の希薄な一体感があります。我が子のはずなのに、遠い存在に思える、他人のような異物感がある。それは直接、愛情の希薄さに繋がっています。但し、後者の我が子という認識によって強く「大切な存在」と思えていれば、愛情と似たものにはなります。この場合、愛情はあるけれど一体感はピンと来ないという歪とも言える感覚になります。サザエさんでは、磯野家はフグ田家と合わせて強い一体感で結ばれていますが、そういう家族もあるとは理解しつつも、実感としてはよく解りません。
愛着障害は、なぜ発生するのか?(一般的な認識)

我が子への愛着障害は、なぜ生み出されるのでしょうか。その原因を、まずは一般的に知られているもの、強く想定されているものを解説します。
養育者との離別・死別
幼少期に主要な養育者と長期間離れたり、死別を経験した場合、子供は安定した愛着対象を失います。特に生後6ヶ月から1歳半の間にこうした体験があると、心理的な安全基地を持てなくなり、基本的な信頼感や安心感が育ちにくくなります。その結果、他者との関係性や自分自身への信頼にも影響が及びやすくなります。
ネグレクト(育児放棄)や無視・無関心
養育者が子供の基本的な世話や情緒的な関わりを怠ると、子供は「自分は大切にされていない」と感じます。食事や衣服などの物理的な世話だけでなく、話しかけたり、気持ちを受け止めたりする情緒的なケアが不足すると、子供は安心感や自己肯定感を持てなくなり、他者への信頼や愛着の形成が難しくなります。
身体的・精神的虐待
暴力や言葉による侮辱、無視などの精神的虐待を受けることで、子供は養育者を「安全な存在」と認識できなくなります。恐怖や不信感が強くなり、他者との信頼関係の基盤が築けません。その結果、情緒面や対人関係に深刻な問題が生じ、愛着障害が発生しやすくなります。
養育者の頻繁な交替
里親や施設職員の交代など、養育者が頻繁に変わる環境では、子供は安定した愛着を築く機会を失います。短期間で養育者が変わることで、一貫した安心感や信頼感を得にくくなり、愛着障害のリスクが高まります。
養育者による厳格なしつけ・体罰
過度に厳しいしつけや体罰は、子供の情緒的な安全感を損ないます。親に対する恐怖心や不信感が生まれ、健全な愛着が形成されにくくなります。親子関係がぎくしゃくし、子供が本音を出せなくなることもあります。
兄弟間の差別や極端な比較
兄弟姉妹間で差別的な扱いを受けたり、極端に比較されると、子供は「自分は愛されていない」と感じやすくなります。これが愛着形成の妨げとなり、自己肯定感の低下や親への不信感、さらには対人関係の問題につながることがあります。
褒められる体験の欠如
努力や成果を認められず、肯定的なフィードバックを受ける機会が少ないと、子供は自己価値感を持てません。親の無関心や否定的な態度が続くと、愛着の形成が難しくなり、情緒的な安定も損なわれやすくなります。
養育者の精神的問題や不安定な家庭環境
養育者自身がうつ病や不安障害などの精神疾患を抱えていたり、家庭内が不和であったりすると、子供への適切な関わりが難しくなります。経済的困難や親の長時間労働なども、子供の情緒的な安定や愛着形成に悪影響を及ぼす要因となります。
一義流気功では、愛着障害をどう見ている?

愛とは何か?
ここで物事の本質を捉えるために、愛を愛たらしめている構成要素、定義を確認しておきます。愛の基本となる構成要素は、「一体感+尊重」です。一体感とは、自分と他人とが同じ存在であるような感覚。尊重とは、価値ある大切なものという評価です。一般的には、ここに温かい優しさのイメージがありますが、ここではそれは愛に付随して生み出される感情という位置づけです。優しいから愛なのではなく、愛だから優しいという順番で、優しさそのものは愛ではありません。ですから愛とは異なる優しさも、この世の中にはあります。
愛情は、思うだけで伝わっている
潜在意識と潜在意識は、思うだけ意図するだけで交流可能です。相手に対して思ったことは、潜在意識では全て伝わっていると思ってください。愛情も、その中に含まれている一つです。
子供の潜在意識では、自分と他人との境界線が曖昧
自分は自分であるという我が育ち、自他の境界線が明確になるのは、およそ5才くらいです。それまでは潜在意識でも自他の境界線が曖昧で、あまり区別がつきません。そこで愛の構成要素と、潜在意識と潜在意識の交流を組み合わせて考えてみてください。
愛の内訳は、「一体感+尊重」でした。それが自他の区別が曖昧な状態で伝わるのですから、子供の中では自分で自分は価値ある存在だと思っているのと同じ意味になります。
人格形成に、愛が入り込む
その状況の中で、人格形成が進んでいきます。構築される人格の中に、「自分は価値ある大切な存在である」という認識が入り込み、溶け込んでいきます。分かり易く整理すると、こうなります。
愛は「一体感+尊重」 → 潜在意識では、思ったことが全て通じ合う → 子供の潜在意識では、自他の境界線が曖昧 → 人格形成に「自分は大切な存在だ」という認識が入り込む
これが、愛情を受けて育った子供の中で起こっている現象です。
愛のチャージ量が、子供を愛する土台になる
愛情は受けたか受けなかったかの二極ではなく、グラデーションです。そのチャージ量によって、自分の子をどれ程、愛せるのかの土台になります。愛着障害の一般的に考えられている原因と、これが密接にリンクしています。親との離別、育児放棄や虐待などの具体的な出来事の中で、潜在意識で起こっている現象がこれです。
自分と他人との境界線が曖昧な幼少期に愛されなかったという経緯が、愛のチャージ量を少なくする。その土台がまた、自分の子をどれだけ愛せるかを決める。というループです。
5才を過ぎたら、もう取り戻せない
愛がチャージされるには、自分と他人との境界線が曖昧でなければなりません。自分と他人との区別が潜在意識で作られてしまうと、いくら「一体感+尊重」を向けられても、「他の人が、自分を大切に思っている」という認識になります。既に人格形成で愛がチャージされる期間は終了しており、もう変化はしません。
これに、多くの人が試行錯誤で様々な取り組みをしてきました。自分に見立てた赤ちゃんの人形を抱っこして、愛情を注ぐ。ロールプレイで小さな子供になり、親役が抱っこやおんぶをして愛情を注ぐ様子を演じる。催眠で愛情を受けてきたと暗示をかける。など、何をどうしても解決されません。一時的に癒されたかもしれませんが、それだけです。愛がチャージされなかった歴史そのものは、何も変わりません。
常識、一般的に好ましい親子関係でも、問題は発生する
「自分は親から大切にされてきた。虐待も育児放棄もされていない。だからこのケースには当て嵌まらない」
ここまでご覧になって、そう思われた方も多いと思います。それなのに何故、自分は子供を愛せていないのだろう??と、ここにも答えは見つからなかったと落胆された方も、いるかもしれません。ですがこのメカニズムは、少し一般的な理解とは方向性が違うんです。
愛の内訳は、「一体感+尊重」とお伝えしました。そして一体感がなくても、尊重があれば愛と似た形にはなります。そして本人は主観的に他の世界を知らないので、それが愛情だと認識もします。大切にされている子も、もしかしたら他の親子関係と比べて違和感はあるかもしれませんが、色々な個性の中の一つとさして疑問視もしません。当然、我が子を大切に思っている訳ですから、目立った虐待も育児放棄もありません。客観的にも主観的にも、普通に良い親子関係です。
ですがこれでは、愛情のチャージはされないんです。愛情がチャージされるのは、一体感があるからです。自分と他人との境界線のない中、一体感をもって思われたことは、自分がそう思っているのと同じ意味になります。つまり、「一体感+尊重」のもと、「自分は大切な存在である」という認識になり、それが人格形成に入り込んで愛情のチャージとして完成します。一体感がなければ、どれだけ強く尊重されても、ただそこに大切に思われているという事実があるだけで、自分がそう思っているとはなりません。愛されて大切にされたはずなのに、愛がチャージされていないという事態は、実は決して珍しくはないのです。
一義流気功では、どう解決するの?

それではこの問題に対して、一義流気功ではどう解決するのでしょうか?そこには一義流気功独自の叡智があります。
『愛05』という世界に類を見ない治療法
愛のチャージを最大値にする
愛05は、「0~5才までの愛情」という意味です。シンプルに、愛05という治療で何がどう変わるのかをお伝えします。記憶は何も変わらないまま、飽和状態まで愛がチャージされた形に潜在意識が変わります。飽和状態とは、これ以上はもう増えないという限界です。
無条件の自己肯定力が上がる
人格に構築された「自分は価値ある存在である」という認識は、無条件の自己肯定感になります。人格で自分には価値があると認識しているので、それ以外の根拠を必要としません。ただ自分であるという事実そのものが、価値の根拠になります。
愛のチャージが多い(以降、これを「愛05が多い/少ない」)と表現します)ほど、無条件に自分を肯定できます。これは普遍的な自己肯定なので、誰も覆せません。他人の誰がどの価値観や権威を根拠に自分を否定しても、愛05チャージを背景にした自己肯定感は、まったく影響を受けません。これは自己否定でも同様です。どんな価値観を用いて自分を否定しても、普遍的な自己肯定感は減らせません。
ただ自己否定感と対比させる形で、トータルでは自己否定の方が強いという状況は作れます。けれども理由をつけた自己否定には普遍性がなく、あくまでも思考で作られた浅い自己否定に過ぎませんので、気を抜いて考えていなければ自己肯定が勝ります。どれだけ強い自己否定感であっても、心の底までは浸食できません。
思考の自己否定は、トラウマや刷り込みに対応して解体していければ、薄めて消していけます。愛05だけではなく、その他の治療や内省などの取り組みを合わせて、解決可能です。
自分の子に愛情を持てる
愛05が最大値にあると、自分の子に一体感が芽生えます。そこに大切な存在という認識が加われば、我が子への愛が生み出されます。愛しい、かけがえのない存在、自分よりも大切に思う、目に入れても痛くない、といった感じたことのない愛のある心を実感します。
自分の子に、愛05のチャージができる
愛05チャージ量は、0~10の段階をつけています。すると母親と子供は、プラスマイナス1にあるケースが多いです。お母さんの愛05が5だとしたら、子供は4,5,6くらいという事です。子供がまだ5才未満であれば、愛05最大値からのチャージが開始されます。
もしも子供がもう5才を超えて大きくなっていても、その時は子供の側も愛05を受けることで、結果として親子そろって愛05最大値同士の関係になります。
他人と一体感をもった関係を作れる
この話は、実は我が子に限った話ではありません。自分以外の人という意味での他人全般との関係性構築の土台になります。相手が相手の愛05も高い(6~10)という前提で、その人とコミュニケーションを取っている内に、一体感をもった深い関係性が作られます。
実は愛05の低い人は、他人全般に一体感を持てないという問題を抱えており、我が子を愛せないのはその一端なんです。
愛05の数値は、潜在意識から確認する
一義流気功では、その人の状態、有効な治療法、日常生活での取り組み方など、全てを潜在意識から情報を得て確認を取ります。愛05の元の数値も、治療前の確認で明確にさせます。
一度、最大値になった愛05は一生もの
愛05は、一過性のものではありません。愛のチャージが5才を超えたら不変なように、愛05チャージも変化しません。何かの体験や感情によって、時間の経過によって、減る種類のものではありません。一度、最大値に上げた愛05は、生涯、そのまま維持されます。
まとめ、結論
本記事では、親が子どもに愛情を感じられないという苦しみの背景にある愛着障害について、その原因や心情、そして一般的な理解と一義流気功による独自の視点を詳しく解説しました。
特に「愛05」という新しい概念は、幼少期(0~5歳)に十分な愛情がチャージされることで、自己肯定感や他者との一体感が育まれるという本質的な分析です。愛05が不足している場合、どれほど努力しても心からの愛情は湧き出てきません。けれどもそれは、決して本人の責任ではありません。
独自の治療法「愛05」は、過去の体験や記憶を変えることなく、愛を最大限までチャージします。これにより、親自身が自分に価値があると認識できるようになり、5歳未満であればそのレベルで子供にもチャージさせてあげられます。
小池義孝の本
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