より美しくなりたい、健康になりたい、と思う多くの人が取り組むダイエット。しかし、これが簡単ではありません。8割に及ぶ人たちが、途中で挫折し、リバウンドを繰り返してしまう現実があります。努力しても結果が続かないのは、単に意志が弱いからでしょうか。現代社会は、便利さと豊かさの裏で、常に食欲を刺激し続ける環境を作り出しています。ストレス、睡眠不足、情報過多——これらが知らぬ間に心身のバランスを崩し、食欲のコントロールを難しくしています。
「ダイエットに失敗するのは、意志が弱いからだ!」と断ずるのは、簡単です。けれどもその背景と原因を丁寧に解析することで、ダイエット成功に導く現実的なアプローチが見えてきます。
本稿では、ダイエット失敗の背景を社会的・心理的な視点から見つめ直し、さらに一義流気功による新しいアプローチが、どのように心と体の根本へ働きかけるのかを探ります。
食欲に負けてダイエットに失敗する社会の実態、その理由

「意志が弱い人」だらけ?
現代のダイエット市場には、多くの減量法や商品が並びます。ただ、現実はどうでしょうか。国内外の調査では、半数以上がダイエット経験ありと回答する一方で、長期的に体重減少を維持できる人は2割前後に限られるという結果も報告されています。
ダイエットに失敗する理由は、個々で状況は様々ですが、突き詰めれば「意志の弱さ」です。様々なダイエット方法がありますが、本丸は食事制限です。「消費エネルギー > 食べる量」が維持できていれば、必ず痩せる理屈です。ダイエットの構図は、極めて単純明快です。運動などで消費エネルギーを痩せるほど増やすのは、実は現実的ではありません。消費カロリーを増やす、体を引き締める、代謝を良くする、という明確な利益はありますが、痩せるには食事制限が必須です。
「痩せられないのは、意志が弱いからだ」と一刀両断するのは、まあ簡単です。けれどもそこには、人間が生まれ持った性、社会環境など、複数の要素が絡んでいます。これらを解析することで、「トータルでダイエットに成功し得る意志の強さを実現する」道が拓かれます。
便利さとストレスが生む「常時・食欲刺激」環境
現代の生活では、コンビニエンスストアや飲食店が身近にあり、夜遅くまで食べ物や飲み物にアクセスできます。スマートフォンの画面には、料理の写真やグルメ情報が途切れず流れ続けます。そして多くの家庭では、レトルト食品や菓子類などが常備され、すぐそこに誘惑があります。
これらの環境は、大して空腹でなくても、頻繁に「食べたい」という欲求が刺激されます。視覚や嗅覚への刺激が積み重なり、体が必要とする量以上を食べてしまいます。
また、仕事や家事、人間関係によるストレスもあります。ストレスを抱えたとき、人は手軽で確実な「気分転換」を求めます。甘いものや揚げ物、アルコールなどの高カロリー食品は、手っ取り早い有力候補です。
「カロリー計算」だけでは成立しないリバウンドの連鎖
多くのダイエット法は、「摂取カロリーを減らして、消費カロリーを増やす」という基本原則に基づきます。この原則は極めて正しく、絶対に外せないダイエットの中心軸です。けれども扱いを間違えると、カロリー計算上では説明できない失敗を招く危険性もあります。
せっかくダイエットに成功しても、後で戻ってしまう、何だったらさらに太ってしまう。所謂、リバウンドという現象があります。制限の反動で食欲のコントロールが難しくなり、短期間で大量に、特に太りやすいものを入れてしまうからです。
カロリーの帳尻合わせだけを考えると、「今日は食べ過ぎたから明日減らす」といった発想も可能です。しかしこの数字合わせの考え方は、往々にして都合主義的に扱われます。これが次第に「明日、食べる量を減らせば良いから、今日は食べちゃおう!」といった制限の前借りに変わり、その返済もまた「明日から頑張れば良い」と先延ばしにされ、いつまで経っても痩せない日々が続きます。そこで下手に食事制限を入れるものですから、反動の食欲が襲ってきて、トータルでむしろ増える。最初からダイエットなんてしない方が、逆に太らなかったという現象すら起こります。
睡眠不足・ホルモン・脳疲労が「食欲スイッチ」を押す
食欲は、単なる気分ではなく、複数のホルモンと神経の働きに因ります。例えば、睡眠が不足すると、空腹を感じやすくするホルモンの分泌が増え、満腹感に関わるホルモンの分泌が下がる傾向があります。このような状態では、同じ量の食事をとっても、満足感が得にくくなります。結果として、食事の回数や量が増えやすくなり、欲求に任せれば甘い物や揚げ物などの高カロリーに走りやすく、食欲が暴走する形になります。
仕事や情報処理で頭を酷使する生活も、食欲を高める要因です。長時間、集中して作業を続けると、脳はエネルギー補給を求めます。そこで選択されがちなのが、手軽に糖質を摂取できる菓子類や甘い飲料です。またそのような労働環境でなくても、似たような状況が作られます。スマートフォンやパソコンから大量の情報を受け取り続ける生活では、脳が休む時間が減ります。この脳の疲労が、エネルギー補給の欲求を呼びます。
このように、睡眠不足、ホルモンの変化、脳の疲労が重なると、食欲のスイッチが押されやすくなります。本人は「食べ過ぎないように」と考えても、からだの内部で「食べたい」信号が発せられます。
ダイエットに失敗する人が多い背景には、個人の意志ではなく、このようなからだの仕組みと社会環境が組み合わさった土台があります。次の章では、この土台の上で選ばれやすい一般的な解決法と、その限界について整理します。
一般的な解決法とその限界

我慢と根性に頼るダイエットの王道パターン
多くの人は、まず食事量を減らしたり、好きな食品を我慢したりする方法から始めます。糖質を制限する、間食をやめる、夜遅い食事をカットするなど、発想の中心には「今までより食べない」があります。
このアプローチは、短期的には体重を減らす効果が出やすく、数字の変化を実感しやすい方法です。ただ、根底には「食べたい自分を押さえ込む」構図があり、日常の楽しみを削る形になりです。
食事制限を続けると、多くの人は、次第にダイエット疲れに至ります。食事の度に「これは食べてはいけない」という葛藤が生じ、不満とストレスが蓄積されます。これでは、どこかで反動が生じます。反動の衝動が強いほど、リバウンドのリスクが高くなります。
記録アプリとレコーディングのメリットと行き詰まり
近年は、カロリーや食事内容を記録するアプリなど、レコーディングダイエットも浸透してきています。何をどれくらい食べたかを可視化すれば、無意識の間食や量の多さに気付き、より精密に自身をコントロールしようとする試みです。記録を行うことで行動を振り返り、自己管理を徹底できます。数値やグラフとして変化を追えるため、目標に向かって進んでいる実感も得られます。
しかし、記録の作業そのものが負担になる人も少なくありません。忙しい日が続くと、入力を忘れたり、後からまとめて記録しようとして面倒になったりします。記録が途切れた瞬間に「もういいか」という感覚が芽生え、アプリ自体から遠ざけってしまうケースも。それが同時に、ダイエットをいい加減にしたり、悪くすれば止めてしまうトリガーになります。
運動で帳尻を合わせるアプローチの落とし穴
ジム通いやジョギング、ウォーキングなど、運動で消費エネルギーを増やす方向性も、王道ダイエットの一翼です。筋肉を動かす習慣は、体の引き締まり、代謝アップ、体力向上など、多く利点があります。ただし、運動だけで瘦せようとするのは、現実的ではありません。食事制限なしで運動だけで瘦せようとすると、相当な時間と負荷が必要になります。運動部の合宿レベルを求められ、日常生活との両立は非現実的です。
また、ダイエット失敗あるあるの一つに、「運動した安心感で食べ過ぎて、逆に太る」というのがあります。運動をするとご飯も美味しく感じられ、免罪符にもなって、余計に食べてしまうという訳です。
運動習慣で体重が均衡状態にあった人が、ケガなど、何かで習慣が途切れてしまう場合もあります。それで食事量がそのままだと、当然、足し算・引き算のバランスで太る理屈です。コロナでリモートワークになった時、運動不足で太ったという話もよく聞きましたよね。
「行動だけ」を変える対策の共通限界
ここまで挙げた方法には、ある共通点があります。それらは全て、食事の量や内容、記録の有無、運動量といった「目に見える行動」の変更です。もちろん、行動の修正は大切です。けれどもその背景には、食欲の出方や満腹感の感じ方、ストレスや疲労の蓄積といった体の状態があります。この部分に変化が少ないまま、表面の行動だけを変えようとすると、元の状態へ引き戻す力が働きます。
例えば、強いストレスや睡眠不足の状態が続いていれば、甘いものや脂っこいものを選びやすい傾向は残ります。そこに「我慢」だけで対抗すると、いつか限界が来ます。よほど強い意志の力がないと、対抗できません。
ですからここで、少し考え方を変えてみるのです。「意志が弱いから続かない」のではなく、「からだと心の状態が、食欲を強くする方向へ引っ張っている」と捉えると、見えてくる物が変わってきます。単なる勝ち目のない精神論から抜け出し、より現実的な効果を期待できる対策が浮かび上がってきます。そう、行動だけでなく、その前提となる内部の状態に働きかける視点が欠けている点が、一般的な解決法の限界なのです。
なぜ「食欲そのもの」にアプローチする必要があるのか
ダイエットを続ける上で、本当に扱うべき対象は、「食べたい」という欲求の強さと質です。食欲が穏やかであれば、同じ食事制限や運動でも、我慢の度合いは小さくなります。一方、睡眠不足やホルモンの変化、脳の疲労などで食欲が高まりやすい状態が続けば、制限や運動の負担感は増します。これが、「同じ方法なのに、ある人には続き、ある人には続かない」という差を生みます。
一般的なダイエット法は、この「食欲のスイッチ」そのものに直接働きかける視点が薄い傾向があります。だからこそ、短期的な成果と長期的な維持の間に、大きなギャップが生じます。
次の第3章では、気功というアプローチを通じて、からだと心の状態に働きかけ、「食欲のスイッチ」にどのように触れていくのかを整理していきます。
一義流気功治療院では、ダイエット失敗にどう対応しているのか?

それでは、一義流気功治療院(東京都荒川区)では、ダイエット失敗にどう対応しているのでしょうか?人間心理の深層に踏み込み、ストレス、食の欲求にアプローチしています。
ストレスを軽減させる
ストレスとは、精神的苦痛を指します。もっと明確には、「嫌だ」「つらい」「苦しい」といった感情です。精神的苦痛を、ここでは「心の毒」と呼びます。この心の毒を消すことで、ストレスを減少させます。
気功の気とは、精神活動のエネルギーを指す言葉です。(他の気功では、位置づけが違うと思います)何かを意図する、思う、感情が動く、こうした全ての精神活動は、気を生み出す作業です。その中の一つに、精神的苦痛、心の毒もあります。心の毒は、処理して消さない限り、精神領域に残り続けます。
この心の毒を気功治療によって除去し、ストレスレベルを下げます。これにより、食の喜びという刺激に依存せずとも、精神状態を良好に安定させられます。
精神体と肉体との感覚共有を再構築する
肉体にとって、「空腹=死んでしまう!!」
この見出し、とにかく意味が解らないと思います。これは一義流気功で開発された治療法で、一般的にはその存在すら知られていません。
精神体とは、魂のような概念です。よく生まれ変わって人間になるといった表現がされますが、これは現実の構造を正確には表現していません。精神体は精神体としての自我を保ったまま、肉体を運営しています。ラジコンカーを操縦しているからと、自分がラジコンカーになっている訳ではないのと同じ理屈です。その際、精神体は肉体と感覚を同化させています。実は、肉体は精神体抜きに、肉体単独でも精神活動を行えます。ただしそれは極めて原始的で、精神体に比べればはるかに知性で劣ります。
「お腹が空いた」と感じた時、精神体(つまり、自分は自分であると自覚している貴方自身)は、状態と状況に応じて判断ができます。数週間も水だけで何も食べていなければ、命の危機です。けれども朝食と昼食を普通に食べて、時間があいて夜であれば、生き死にの問題ではありません。ところが肉体はその判断ができず、「お腹が空いた = 命が危ない」になります。
命の危険を感じて、肉体の精神はパニックを起こします。精神体は肉体と感覚を同化させているので、パニックに巻き込まれます。その度合いに応じて、理性が奪われます。多くの人間が、ダイエット中であっても、この空腹パニックで理性を失い、食べてしまうのです。
感覚の同化を切ると?
この新しい治療法では、精神体と肉体との感覚共有を遮断します。すると肉体は変わらず「お腹が空いた=死んでしまう!!」とパニックを起こすのですが、精神体はそれに巻き込まれません。冷静に、「肉体はパニックになっているな……」と俯瞰して客観的に見られるようになります。
理性の勢力が大きく残っているため、空腹であっても「今はダイエット中で、空腹を満たすべきではない。何だったら、太り過ぎが解消される分、むしろ健康に良い」といったように、誘惑に抗えるようになります。これが大きな違いとなり、「食べてしまう・自制できる」を分けます。
何度も食欲の誘惑に負け続けている人であれば、この違いの大きさを、直感的に理解できるでしょう。
まとめ、結論
ダイエットが続かない背景を、意志の弱さだけに求めるのは早計です。そこには、社会環境や体の仕組みが絡んでいます。便利さの中で常に食欲を刺激され、ストレスや睡眠不足によってホルモンバランスが乱れ、脳が過剰にエネルギーを求める。そんな状態では、我慢や根性に頼るだけの方法は限界を迎えやすい。行動だけを変えても、本能的な「食欲のスイッチ」を抑えられなければリバウンドは避けられません。つまり、持続的な成功には、心身の状態そのものに働きかけるアプローチが必要なのです。
一義流気功治療院では、この内部要因に注目し、心の毒を解消してストレスを軽減する他、肉体と精神体の構造という人間の存在性の根源にアプローチを行い、ダイエットを成功に導く重要な鍵を提供しています。
小池義孝の本
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