冷え取り健康法を、実生活にどう取り入れるべきか?その本質をサクッとお伝えします。

冷え取り健康法

冷え取り健康法とは何か?

新藤義春先生が提唱

冷え取り健康法とは、新藤義春先生が体系的にまとめ、提唱した心身の健康法です。下半身を温めることで肉体機能を根本より活性化、万病への絶大な効果を謳っています。

頭を冷やし足元を温める「頭寒足熱」を基本に、靴下の重ね履きや下半身を中心とした保温、半身浴などで血流を促し、自分の自然治癒力が働きやすい状態を保つ考え方です。また、衣食住と心のあり方を一体のものとしてとらえ、衣類や入浴だけでなく、食事のとり方や無理のない生活リズムを整える習慣を通じて、長期的にからだを「冷やさない生き方」へと切り替える姿勢を重視します。

主役は半身浴

冷え取り健康法の主役は、何といっても半身浴です。

  • 38~39度に温度設定を取る
  • 連続で30分以上
  • 水位は鳩尾あたりまでとし、上半身は湯につけない

この3つのルールが基本になります。

なぜ38~39度なのか?

人間の体温は、高熱を出しても最大で40度程度です。それ以上はタンパク質が壊れるなど、肉体にダメージが及ぶので上げません。これは外部からの熱でも同じです。41度、42度、43度となってくると、体は「こんな高熱を入れてはいけない」と皮膚表面を締め、熱を中に通さないようにします。すると表面だけは温まっているけれど、芯は冷えたままになります。

この設定であれば、肉体は安全な温度と判断して受け入れます。平熱時でも、体の芯は37度台です。ですから37度よりも高く拒絶もされないこの設定が、体を芯まで温める絶妙なラインになります。

なぜ30分以上なのか?

20分以上と言っている所も多いですが、一義流気功では30分以上を推奨します。これは38~39度の温度設定で、体の芯まで熱が浸透して温まるのにかかる時間です。普通は20分で間に合いますが、冷えが強い日では足りない時もあります。30分にしておけば、よほど強い冷えでない限り、間違いなく芯まで温まります。

なぜ半身浴なのか?

冷えたら健康に悪いのは、体のどこであろうと同じです。けれども肉体には、冷えに強い所と弱い所があります。頭部~鳩尾あたりまでは、強い熱源があります。一方、お腹~足元までは熱源が弱く、冷えやすい。ですからその冷えやすい下半身を重点的に温め、全体の体温のバランスを取る。これが半身を集中的に温める意味です。

60分、90分以上にもチャレンジを

芯まで温まるだけなら30分で十分ですが、温かい血液循環で筋肉をゆるめる、身体機能をさらに向上させる、のであれば、60分、90分と長い時間にも挑戦してみてください。例えば、普段は30分くらいで、週に一回は60分以上の日を作るなども、お勧めです。

半身浴、よくあるNG行動

肩にドライタオルをかける

半身浴中、上半身が寒くなったらどうするの?へのアンサーとして、よく見かけます。けれどもこれには落とし穴があって、「落とさないようにしよう」「湯につけて、濡らさないようにしよう」という意識が働いて、リラックスできなくなるんです。

寒くなったら、ちょっと何秒が全身浴をして出てくる。これで良いです。

時間を分けて入る

30分だったら30分、連続で入り続けてください。たまにですけれど、15分入って出て髪と体を洗って、また15分入って合計30分といったやり方をする人がいます。その出ている間に冷えるので、そこは連続で入り続けてください。

気付いたら、温度が低い

体が温まってくると、温度が下がっても寒さを感じなくなってきます。次第に温度が下がっていって、気付けば体を冷やしているというウッカリです。小まめに追い炊きしてください。

冷え取りの名脇役、足湯

半身浴は足湯を兼ねていますので、行うべきはまず半身浴です。足湯を行うのは、こんな場面です。正に、冷え取り健康法の名脇役と言えるでしょう。

温度設定は、半身浴ほど厳密ではありません。体感で気持ちよく温かければOKです。

湯舟を溜めなかった時

湯舟を溜めず、今日は半身浴をしない。冷え取り健康法ガチ勢ではあり得ないですが、ライトに取り入れている層では、そんな日も普通にあります。

そういう時、体や髪を洗いながら、バケツなどで足湯をする。足元の冷えだけでも取っておく。これは折衷案として、十分な価値があります。

帰宅して、冷え切った足をとりあえずリセット

寒い外から帰って足が冷え切っている時、半身浴を待たず、とりあえず足湯でリセットします。

……しながら

デスクワークをしながら、テレビを見ながら、座っている姿勢があれば、足湯はその場面で簡単に取り入れられます。

靴下の重ね履き

半身浴と足湯は、冷え取り健康法でなくても、一般的な健康法の範疇でもあります。冷え取り健康法独自、ユニークなアプローチは、この靴下の重ね履きにあります。

絹と綿で交互に層を作る

肌に触れる一枚目を絹、その上に綿を被せ、さらに絹→綿→絹→綿と重ねて層を成していく。これが冷え取り健康法で推奨する、靴下の重ね履きです。化学繊維の混入しない(あっても弾性を持たせるための最低限)物で行います。一義流気功では、絹と綿との二層構造のものを推奨しています。これを基準にすると、気軽に行うなら3足で合計6層。多い人では、10足以上を重ねます。

足元から毒の排出

足元には経絡の末端が集中しており、そこは毒の排出口になっています。肉体の毒だけでなく、心の毒も対象です。絹綿の層が増えれば増えるほど、毒の排出量が増えます。ここで、5本指靴下に大きな意味があります。足指全体のすっぽりと覆うことにより、効率的に排毒効果を高めています。

いつ履くの?

睡眠は、心身の集中メンテナンスです。ここで冷え取り靴下を重ねて履いておくことで、身体機能全体が底上げされ、毒の排出も盛んに行われます。

もちろん、日中の活動中であっても履いていて良いですが、活動モードとメンテナンスモードは分けられているので、就寝中だけで十分な効果が期待できます。一日中、ずっと履いている人は、それ用に大きな靴を持っています。その際は、ただセンチ・インチのサイズを上げるのではなく、横幅も広げてください。

夜、半身浴をして冷え取り靴下を履いて、就寝という流れがスムーズです。

好転反応、足指の痛み

靴下の重ね履きで毒の排出量が増えると、様々な好転反応が出てきます。その中でも、足指の痛みはポピュラーで、多くの愛好家が経験しています。普通、痛みは嫌なものですが、痛みの種類としては嫌な方向性ではありません。毒が出ている実感があると、むしろ喜ばれ歓迎される向きもあります。ただ、ものは限度があります。あまりに痛くて眠れない、寝ながら無意識に脱いでいた、という場合にはギリギリ眠れる程度に枚数を減らしてください。

また他にも、爪が真っ黒になって剥がれ落ちる、指の股が裂けて膿が出てくる、などもよく起こります。女性で足爪をファッションとして考えている人は、そこは考えどころです。

一般的に、激しい毒出し反応は5枚(二層構造で合計10層)当たりからです。3枚くらいから試してみて、様子を見て増やす人が多いです。

枚数毎の推奨組み合わせ

3枚であれば、「インナー(5本指)→5本指→先丸」がポピュラーです。三枚目を5本指にしても良いです。5枚では、「インナー→5本指→5本指→先丸→先丸」が定番です。10枚では、「インナー→5本指→5本指→5本指→5本指→5本指→先丸→先丸→先丸→先丸」あたりになるでしょうか。勿論、これは絶対ではなく参考です。多少の違いがあっても、問題ありません。

冷え取り靴下は、来院時、通信販売で購入できます

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